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マイナンバー制度開始にともなうITシステム、「対応完了」はわずか4.3%~トレンドマイクロ調査

[2015/6/3 12:26]

 トレンドマイクロは、「組織におけるセキュリティ対策 実態調査2015年版」 を発表。調査で、マイナンバー制度開始にともなうITシステム「対応完了」はわずか4.3%にとどまることが明らかになりました。また、国内の企業・組織の約7割が過去1年間にセキュリティインシデントを経験しています。

 マイナンバーは2016年1月から運用開始される予定で、準備に残された期間はあと半年。

 ところが、マイナンバー制度について、「マイナンバーの名称を知っている」または「制度についても理解している」と回答したのは調査対象1,340名のうち1,212名。調査対象は職員50名以上の企業・組織のセキュリティ担当者で、認知度も90%ていどにとどまっています。

 さらに、「知っている」「理解している」1,212名にITシステムの対応状況を質問したところ、「完了している」との回答はわずか4.3%でした。


業界別マイナンバーに向けたITシステムの対応状況
(「マイナンバーの名称を知っている」または「制度についても 理解している」と回答した回答者対象)


 マイナンバー制度開始に伴うセキュリティ対策については、「何も決まっていない(38.5%)」が最多。25.8%が「セキュリティを強化する予定」と回答しているものの、対応に未着手の企業・組織が多く存在していることが明らかになりました。


マイナンバー制度開始に伴うセキュリティ対策の施策(「マイナンバーの名称を知っている」または「制度についても理解している」と回答した回答者対象)


 また、昨年1年間でセキュリティインシデント(間違いを事前に気づいたり、誤った行為があってもほとんど実害がなかったような事例を含む)が発生したと66.6%が回答しています。

 マイナンバー制度は、国民一人一人に固有番号を振って一元的に管理することで国民の収入を把握し、現在の税制の不公平感を軽減することと、役所ごとに管理している情報を一元的に管理することでの効率化と利便性向上を目的としています。

 このため、個人の所得が発生するところ全てにマイナンバーを扱う作業が発生します。企業が社員に給料の支払いをするときにも、社員のマイナンバーを集め、「給与支払報告書」に記載して、社員の住む地方公共団体に提出する必要があります。収集したマイナンバーについては、漏れないよう厳重に管理する必要があり、管理を怠って漏えいした場合には法律による罰則があります。

 官公庁だけでなく、すべての企業でマイナンバー管理の対策が必要となるのですが、トレンドマイクロ調査では企業での対策が進んでいない実態が明らかになっています。

[ネタとぴ編集部]