米デルタ航空がスヌーピーに名誉パイロットの称号を贈呈~妄想の“フライング・エース”が本物のパイロットバッジをゲット

[2015/10/26 13:40]

 米デルタ航空は10月22日(現地時間)、アトランタ本社に隣接するデルタ航空博物館で行われた式典で、米国の人気漫画「ピーナッツ」に登場するスヌーピーに、「デルタ航空名誉パイロット」の称号を贈ったと発表しました。

 スヌーピーは、犬小屋の屋根でさまざまな空想にふけりますが、そのひとつが第一次大戦の撃墜王「フライング・エース」として大空を飛び、三葉機に乗るライバルのレッド・バロンと空中戦を繰り広げるというもの。今回は、65年前に始まったスヌーピーの伝説的な冒険を祝し、このたび「デルタ航空名誉パイロット」の称号が与えられました。

 スヌーピーには、パイロットの証である「パイロット・ウィング・バッジ」に加えて、デルタ航空のフライトオペレーション担当上級副社長、スティーブ・ディクソン機長(Steve Dickson)の署名が入った、名誉パイロットの証明書が贈呈されました。

デルタ航空博物館のプレジデント、ジョン・ボートライト氏と客室乗務員らから「デルタ航空名誉パイロット」の称号が授与される

 米国では「ピーナッツ」のアニメ映画「THE PEANUTS MOVIE」の公開を11月6日に控えていて、映画のプロモーション的な意味もあるようです。映画「THE PEANUTS MOVIE」は、日本では邦題「I Love スヌーピー The Peanuts Movie」として12月4日に公開される予定です。

 式典には、「ピーナッツ」の原作者チャールズ・M・シュルツ氏の息子で、映画の脚本とプロデュースを担当したクレイグ・シュルツ氏と、監督を務めたスティーブ・マーティノ氏をはじめ、登場人物の声優も出席。

原作者チャールズ・M・シュルツ氏の息子で、映画の脚本とプロデュースを担当したクレイグ・シュルツ氏(中央左)、とスティーブ・マーティノ監督(中央右)

 式典に出席したスティーブ・マーティノ監督は、「映画の封切に向けて、スヌーピーというファミリーブランドのアイコン的存在の歴史を祝うことができ、大変嬉しく思います。デルタ航空博物館も同じように、航空の歴史と未来の探求を推進しています。同じ使命を持つ方々に敬意を表することができ、大変光栄です。」とコメント。

 マーティノ監督は、今回の映画製作期間中も含め、人生の大部分を飛行機での移動に費やしていますが、ニューヨークのJFK空港からサンフランシスコに通うのには、いつもデルタ航空を利用しているそうです。

 また、自身もプライベート機のパイロットであり教官も務めるクレイグ・シュルツ氏は、「博物館に展示してあるDC-3型機に、すぐにでも乗り込みたくなったよ」と博物館を訪れた感想をコメントしています。

 式典が行われたデルタ航空博物館は、米国ジョージア州アトランタの本社屋に隣接。85年以上にわたるデルタ航空の歴史と、民間航空産業の発展の軌跡を、航空機やユニフォームなどの展示を通して紹介しています。

 常設展示には、1929年のデルタ航空初の旅客便に使用された航空機に近い型のトラベルエアー6Bセダン機、1982年に従業員が資金を出して会社のために購入したボーイング767型機「スピリット・オブ・デルタ」、デルタ航空便として空を飛び、従業員とボランティアによる修復作業を終えたDC-3型機など、デルタの歴史を代表する5機の航空機も。

 また、ボーイング737-200型機のフルモーション・シミュレーターの体験コーナーがあり、操縦体験を楽しむこともできるとのこと。米国アトランタを訪れる航空ファンには見逃せない施設になっています。

[工藤ひろえ]