UBIC、犯罪につながるTwitterや2ちゃんねるの書き込みを人工知能が検知するシステムを官公庁に提供開始
UBICは、独自開発の人工知能「KIBIT(キビット)」を使ったソーシャルメディア分析システム「Lit i View(リット・アイ・ビュー) SNS MONITORING」を官公庁向けに提供開始すると発表しました。
UBICは、犯罪捜査や裁判証拠のためにコンピューターや電子記録媒体の情報を解析する技術「デジタル・フォレンジック」の専門企業としてスタート。現在は独自開発の人工知能を使ったビッグデータ解析までを手がける企業です。
ビッグデータ解析はNTTグループをはじめ、大手企業が手がけていますが、犯罪につながる書き込みに特化している「Lit i View SNS MONITORING」の特徴です。
「Lit i View SNS MONITORING」では、実際にあった犯罪予告や脅迫などの文章や、調査官の経験と暗黙知に基づいた「犯罪の予兆となりうる投稿」を人工知能KIBITが学習。Twitterや2ちゃんねるなどの膨大な書き込みの中から、危険度の高いものを自動的に絞り込み、アラートメールを監視者に発信します。
見つけたいキーワード(複数指定)によるフィルタリングの併用も可能。フィルタリングを行ったうえ、KIBITによりスコア付けを行います。
また、ソーシャルメディアやネット掲示板に見られる短いテキストや独特の言い回し、隠語などからも犯罪に発展しうる危険度を判断するとのこと。検出した書き込みは、人間がレビュー(評価)することで、検知精度を上げています。
ソーシャルメディアや掲示板監視では、たとえば単純に「殺す」というキーワードを設定しても、「殺す気か!w」、「もうやだ頭痛殺す」といった無害、無関係な書き込みが大量に抽出されてしまいます。UBICのシステムでは、危険度が高いと見られる書き込みに高いスコアがつけられることで、発見までの時間が短縮できることのことです。
UBICは、「Lit i View SNS MONITORING」の官公庁への提供を通じて、人間だけの力では発見することが不可能なボリュームのデータを、人工知能を使って監視・検知し、危険な書き込みの早期発見を支援するとしています。
納入先などは明らかにされていませんが、UBICのシステムに限らず、今後こうしたビッグデータ解析が犯罪捜査にも使われていくことは間違いなさそう。
過激な犯罪予告は他のユーザーから通報されることも多いですが、こうしたシステムが導入されると、これまであまり人目につかなかったフォロワーの少ないアカウントでも検出されてしまうおそれ大。Twitterや2ちゃんねるなどの掲示板で、犯罪予告を思わせるような悪ふざけは控えた方が良さそうです。