「帰る前にエアコンを入れて、涼しい家に帰りたい!」が可能になる「Nature Remo」、KickStarterで先行予約開始
アメリカのボストンに拠点をおくNature Incは、エアコンをスマホアプリから操作できる「Nature Remo (ネイチャー リモ)」を発表、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で先行予約を開始しました。製品は2016年8月に日米同時発売予定で、発売時の価格は119ドル。
Kickstarterはクラウドファンディングサービスですが、今回の募集は発売は決定済みで、先行予約販売という形になります。予約価格は69ドル。発売時の価格は119ドルを予定しているため、50ドル安いことになります。
台数限定の早期予約価格として49ドルと59ドルのコースも用意されていますが、49ドルのコースはすでに完売。59ドルのコースはまだ15台残っています(5月24日13:00時点)。
「Nature Remo」は、コントローラー機能をもつコントローラー、電源制御機能を持つパワープラグ、スマホアプリで構成する製品。スマホアプリを使えば、インターネットを介して、どこからでもエアコンを含めた家電のリモコン操作が可能になるとしています。
コントローラーには、温度計機能、湿度計機能、人感センサー、照度センサー、ノイズセンサーを搭載し、室内の人やペットを検知したり、過去の操作履歴を学習することが可能。消費電力の計測と電源制御機能をもつパワープラグとあわせて利用することで、電気代も節約できるとのことです。
スマホアプリで位置情報を利用して、自宅まで一定距離まで近づくとエアコンをつけ、センサーで自宅に誰もいないことを検知すると電源を切るいった使い方もできるとのこと。説明通りちゃんと動けばかなり便利に使えそうです。
なお、電源制御機能を持つパワープラグは2016年8月の発売時には付属していません。今回の予約価格にはパワープラグは含まれず、代わりにACアダプターが付属しています。
2016年内にはACアダプターと交換する電源制御機能を搭載したパワープラグの発表を予定。それにより消費電力の計測とデマンドレスポンス(電力需要抑制システム)への対応も可能になるそうです。
気になるのは対応メーカーですが、どんなメーカーにも対応するとのこと。対応する国産エアコンのメーカーとしては、ダイキン、東芝、日立、パナソニック、富士通、シャープ、三菱などの名前をあげています。
Nature Incはアメリカの企業ですが、創業者は2人とも日本人。創業者兼CEOの塩出晴海氏は三井物産で東南アジアの電力事業開発に従事、創業者兼CTOの大塚雅和氏は、パナソニックに6年間、株式会社カヤックに6年間在籍した後にNature Incを創設しています。
エアコンをインターネットを介してコントロールする機能は、エアコンメーカーでも技術的には対応可能と言われていますが、PL法(製造物責任法)があるため、たとえば、乳幼児を寝かせている部屋などで誤動作によって死亡事故などが起こった場合のリスクを想定するとエアコンには機能搭載できないという話も聞かれます。
そうした事情もあり、年々暑くなっている気がする日本の夏に、「帰宅する前にエアコンを起動しておいて涼しい部屋に帰りたい」という需要は大きいと思われますが、その需要に応える製品はなかなか出なかったのが実情です。
日本ではラトックシステムが、Bluetoothを使ってスマホからエアコンも含めた家電製品をコントロールできるBluetooth学習リモコンユニット「REX-BTIREX1」を販売していますが、Bluetoothは近距離用の通信規格のため、会社で家のエアコンをコントロールするといった利用法はできません。
大企業ではなかなか対応に踏み切れないニーズにベンチャー企業が応える、という形のKickStarterでの予約販売。売れ行きが注目されます。