IT・スマホ

白黒写真を人工知能でカラーにする手法を確立。GitHubでコードを公開~ユーザーテストで約90%が自然であると回答

[2016/5/31 22:05]

 早稲田大学理工学術院の研究グループが、ディープラーニングと呼ばれる人工知能技術を応用し、白黒写真を自然に彩色する手法を確立したと発表しました。また、ソースコードはGitHubにて公開されています。

 今回発表されたのは、早稲田大学理工学術院の石川博教授、飯塚里志研究院助教、シモセラ・エドガー研究院助教らの研究グループによる研究で、「ディープネットワークを用いた大域特徴と局所特徴の学習による色付け」の手法。

 大量の白黒・カラー画像の組から色付けの手掛かりとなる特徴をディープラーニング技術により学習し、その特徴を使って、白黒画像をカラー画像に変換します。画像全体から抽出される大域特徴と、より小さな領域から算出される局所特徴とを結びつけて利用するのが、新しい手法とのことです。

 大域特徴からは、屋外か屋内か、また昼か夜かなどの写真全体についての情報を得て、局所特徴からは、砂か葉か水かなどの物体の持つ質感により、どのように色付けするのが最も適当かという推測をすることができるそうです。これらを組み合わせることで、夕暮れの空や人の肌などの、より状況にあった自然な色付けを、人による介入を必要とせずに可能とのことです。

 研究結果に関する評価と社会的影響として、「今回の研究により、100年前の白黒写真をはじめ、様々な画像において自然な色付けを実現できるようになりました。なお、彩色の結果はユーザーテストにより評価され、約90%の色付け結果が自然であるという回答を得ました」としています。

[古川 敦]