スマホ旧端末を買い取りに出す時は完全削除をお忘れなく~キヤノンITSが、スマホ内データの完全削除方法を指南
セキュリティソフト「ESET」を販売するキヤノングループの会社、キヤノンITソリューションズは、スマホ内のデータを完全削除する方法の解説を公開しました。
キヤノンITSでは、スマホ内のデータ削除について、「論理削除」と「物理削除」があることを解説。「物理削除」は実際のデータを削除するものですが、「論理削除」は記録メディア上で削除したいファイルが書き込まれたエリアを再利用可能(書き込み可能)にするもので、ファイルの実データは消えていません。
このため、「論理削除」ではツールを使うと復元できてしまう場合があります。削除後にカメラで撮影するなど新しくファイルを保存すると、元ファイルがあったエリアに上書きされ、読めなくなる可能性があるのですが、下取りに出す目的で削除したような場合は削除後そのまま販売店に持っていくことが多いため、ほとんどのファイルは上書きされずにデータとしては残っている状態になってしまう恐れがあります。
iOSなら初期化すれば大丈夫、Androidでは暗号化してから削除を
キヤノンITSでは、この点について、iPhoneなどiOS端末とAndroid端末を分けて検証。
iOS端末では、初期化する(メーカー出荷時の状態に戻す)と「物理削除」されるため、初期化すれば大丈夫としています。このあたりは、OSとハードウェアをひとつのメーカーが作っている強みといえそうです。
一方、Android端末の場合は「論理削除」となり、実データは残っていることが多いとして、以下の方法を勧めています。
1)Androidを暗号化する 「設定 > セキュリティ > 機器を暗号化する」
2)初期化する 「設定 > バックアップとリセット > 工場出荷時データへリセット」
いったん暗号化すると、ツールを使っても解読には手間と時間がかかるため、好奇心で他人のデータを見ようという人はあきらめるというわけです。
スマホは個人情報の宝庫、写真流出のおそれも
本来他人に見られるはずのない写真が流出して、社会的に大きなダメージを受けた人の例は枚挙にいとまがありません。
台湾の人気俳優だったエディソン・チャンは2008年、修理に出したパソコンから有名女優などとのエッチ写真が流出。エディソン・チャンはデータを削除して修理に出したのですが、「論理削除」だったため、データが復元されて流出してしまったと報じられています。
この流出から、無期限引退を余儀なくされ、6年たった2014年にやっと俳優としてドラマ復帰しました。
エディソン・チャンの件でもわかりますが、写真流出がおそろしいのは、被害が本人だけにとどまらないということ。エッチ写真であれば、相手も一緒に晒されてしまうことになります。一般人の写真でも、女性が可愛かったりするとあっという間に拡散してしまいます。
iOSなら1ステップ、Androidでも2ステップの手間なので、古い端末を買い取りに出すときは必ず初期化・暗号化をするようオススメします。
また、SIMやメモリカードを取り出すことをお忘れなく!