祝! 日本のスーパーコンピュータ「京」がGraph500で世界第1位に~3期連続のトップ
日本のスーパーコンピュータ「京」が、国際的な性能ランキング「Graph500」の最新ランキングで1位になったことがわかりました。
九州大学と東京工業大学、理化学研究所、スペインのバルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通株式会社による国際共同研究グループが発表したもの。
「Graph500」は半期に一度ランキングが発表されますが、「京」は今年6月の最新ランキングで1位となり、3期連続のトップに。通算では4期トップを獲得しています。
スパコンの主なランキングとしては「TOP100」と「Graph500」が有名ですが、「TOP100」は、係数が密行列になっている連立1次方程式を解く性能を競うもの。「Graph500」はグラフ解析を行う性能を競うもので、ビッグデータ解析などに必要な性能を測るものとなっています。
「TOP100」は1993年に始まったランキングですが、その後スパコンの用途も変わってきています。「TOP100」では有効に計測されない、大規模データ処理の処理性能を測るために2010年に開始されたランキングが「Graph500」です。
「京」は、「TOP100」の最新ランキングでも5位につけています。
グラフ解析と聞いてもあまりピンと来ないのですが、SNSで、誰と誰がつながっているかといった解析グラフはたいていの人が一度は見たことがあるはず。また近年はテレビニュースなどでもビッグデータ解析結果が使われていて、Twitterなどネット上の膨大なつぶやきから、1つのトピックに関する感想の大まかな流れが紹介されていたりします。
そのほか、グラフ解析は、サイバーセキュリティや金融取引の安全性担保といった用途、脳神経科学における神経機能の解析やタンパク質の相互作用分析などにも用いられているとのこと。
身近なところでは、災害時の人の流れの予測などにもビッグデータは使われていて、地震で火災が起こった場合に避難路を確保するためどういった街づくりをしていくべきかといった対策にもビッグデータ解析が利用されています。
スパコンランキングでは、民主党政権時代の“仕分け”で蓮舫議員の「2番じゃダメなんですか?」という言葉が話題になりましたが、高い処理性能を使ってはじめてできること、はじめて見えてくる世界がまだまだたくさんあるようです。