IT・スマホ

ワンセグ携帯に受信料の支払い義務なしの判決にNHKはただちに控訴~「従来と変わらず受信料の支払いをお願いしていく」

[2016/8/28 21:05]

 埼玉県朝霞市の男性市議が訴えていた、ワンセグケータイを持っているだけでNHKに受信料を支払う義務があるかが争われた裁判の判決が、2016年8月26日にさいたま地裁であり、支払い義務はないとの判断を示しました。


 ワンセグ機能付き携帯電話の所有者が、放送法64条1項で受信契約の義務があると定められている「放送を受信できる受信設備を設置した者」になるかが争点で、NHKは「『設置』とは受信設備を使用できる状態に置くことを意味し、一定の場所に設け置かれているか否かで区別すべきではない」と広義の「設置」にあたると主張。

 今回の判決では、ワンセグ機能付き携帯電話などを使った放送を規定した放送法2条14号で、「設置」と「携帯」が区別されているとし、それより前に制定された64条1項の「設置」の定義が再検討された形跡はなく、従前通りの解釈をすべきであり、「放送法64条1項の『設置』が『携帯』を含むとするNHKの主張には相当の無理があると言わざるを得ない」と契約義務はないとしました。

 NHKでは「今回の判決は、放送法第64条の受信設備の設置についての解釈を誤ったものと理解しており、ただちに控訴します。今後も、NHKとしては、従来と変わりなく、ワンセグ機能付き携帯電話のみをお持ちの方に対しても、受信契約の締結と放送受信料の支払いを引き続きお願いしてまいります」と今回の判決内容を真っ向から否定しています。

[古川 敦]