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さようなら、長い間ありがとう! 「Yahoo!カテゴリ」が2018年3月のサービス終了を発表~1996年の創業時から提供してきたディレクトリ型検索の歴史に幕

[2017/6/29 15:31]

 ヤフージャパンは、「Yahoo!カテゴリ」のサービスを2018年3月29日をもって終了すると発表しました。

「Yahoo!カテゴリ」トップページ。サービス終了のお知らせが掲示されています

 Webが一般に普及し始めた1996年、Yahoo!は「ディレクトリ型検索」のサービスを開始しました。いわば、ヤフーの原点となるサービスです。

Web創世期、ユーザーの救世主でありバイブルだったディレクトリ型検索

 ディレクトリ型検索は、「サーファー」と呼ばれるスタッフが手作業でサイト情報を収集し、「エンターテインメント」「メディアとニュース」などのカテゴリに分類して登録するサービス。

 「エンターテインメント」→「映画」など、知りたい情報をジャンルから探すことができ、新しいWebページが出来ても一般ユーザーが存在を知ることが難しかったWeb創世時代の救世主的なサービスとして、当時のネットユーザーから熱狂的に支持されました。

Webコンテンツ爆増で、ロボット検索の時代へ

 その後、1997年にNTTグループが、1998年にGoogleがロボット検索サービスを開始しました。ロボット検索は、「ロボット」と呼ばれるプログラムが自動的にWebサイトを巡回し、新しいサイトの発見や、被リンク数などによるサイトの評価を行うサービスです。

 Googleの検索エンジンは、この“被リンク数”などでサイトの重要性を評価するしくみが革新的でした。「より役に立つと思われるサイトを上位に掲出する」、という独自エンジンによる技術で、Googleは利用者を増やしていきました。

 2000年代に入ってからは、日記サービス、ブログサービスなど一般ユーザーが手軽に情報発信できるサービスが次々にリリースされ、Webページが爆発的に増加。

 Yahoo!も独自の検索エンジンを開発・サービス提供していましたが、2010年に自社での検索エンジン開発をやめ、Googleエンジンを採用することを発表。ネット上では大きなニュースとなりました。

日本ではGoogle一強時代に

 現在日本では、Google以外にマイクロソフトの「Bing」や中国の「百度(バイドゥ)」も独自のロボット検索エンジンによる検索サービスを提供していますが、日本の二大検索サイトであるGoogleとYahoo!がGoogleのエンジンを採用しているため、検索はGoogle一強時代となっています。

 ただし、中国では「百度」など中国企業による検索エンジンが広く使われていますし、すべての国でGoogleが一番、というわけではありません。


さよなら、ありがとう――もう一度見ておきましょう

 検索に慣れない初心者には馴染みやすかった「Yahoo!カテゴリ」ですが、すでに人力で整理できる時代ではないことはあきらかで、サービス終了は残念ですが、これも時代の流れ。

 「Yahoo!カテゴリ」サービスが終了してしまう前に、以前は毎日のようにお世話になったYahoo!のディレクトリ型サービスを、一度見ておいてはいかが。

[工藤ひろえ]