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日本人女性の2人に1人がオンラインハラスメントを経験! 3人に1人はネット上のセクハラ被害に遭っている~ノートンが日本人女性に対するオンラインハラスメントを調査

[2017/11/28 19:41]

 セキュリティソフトのブランド「ノートン」は11月28日(火)、日本人女性に対するオンラインハラスメントの調査結果を発表しました。調査対象は、16歳以上の日本人女性を504人。

 調査では、約半数にのぼる46%の日本人女性が何らかのオンラインハラスメントの被害にあっていることがわかりました。また、約3人に1人(32%)が、ネット上のセクハラを経験しています。


30歳未満の女性では、4割がオンラインでセクハラを経験

 調査の結果、オンラインハラスメント被害の1位は「悪意のあるゴシップやうわさ話」46%で、約半数の女性が経験しています。次いで多いのが、「誹謗中傷」34%、「セクハラ」32%。セクハラについては、30歳未満の女性では40%がネット上で被害を経験しています。

 セクハラで最も多い被害は「断ったにもかかわらず男性からしつこく交際を迫られた」で、31%に上ります。「あからさまに性的な内容を含む不快なEメールを受け取った」は19%で約2割の女性が経験。

 オンラインハラスメント被害にあった人のうち、実際に警察に被害届を提出した人はわずか4%にすぎません。49%と、調査対象のほぼ半数に上る女性が「無視してやり過ごした」と回答。また、21%の女性は、「どうすればよいかわからなかった」と回答しています。

 10人中8人の女性がオンラインハラスメントに遭うことを恐れていて、「性的暴行やレイプに対する脅迫」79%や「殺人の脅迫」77%を最も懸念
しています。

オンラインハラスメントの影響~リアルにも悪影響が!

 オンラインハラスメントは、ネット上の被害だけでなく、実世界へも悪影響を及ぼすことがわかりました。

 「気分の落ち込みを感じた」人は全体の35%に上り、「不安や懸念を感じた」人も33%。「うつや不安神経症を発症した」人も15%に達していて、うち48%が専門家による精神医療を受けています。

 また、サイバーストーキングにあった人(12%)のうち、4人に1人(25%)がオフラインで実際の付きまといを経験していることもわかりました。

セキュリティとプライバシーの設定の確認を。それでもハラスメントに遭ったらどうする?

 ノートンでは、オンラインハラスメントから身を守るために以下の3つの対策を推奨しています。

1)所有するすべてのデバイスで設定を確認すること
2)セキュリティ設定とプライバシー設定を確認する
3)パスワードを定期的に変更する

 また、問題を感じたら速やかに対処するが重要だとして、具体的には以下の対処を勧めています。

1)加害者に応答しない
2)受け取ったメッセージ、写真、動画は、被害記録&証拠としてすべて保存する
3)オンラインハラスメント被害にあっている人を見つけたらサポートの手を差しのべること。状況によっては、許されない行動を行っていることを加害者本人に知らせる

 加害者に直接返信するなど反応してしまうと、その反応欲しさにさらにエスカレートすることも少なくありません。

 SNSでブロックしたり、アカウントを非公開にしたり、さらにはアカウントを削除してしまうといった一般的な対処でおさまることもありますが、シマンテックでは、ハラスメントと見なされる言動をしていた場合、速やかに関係当局へ届け出ることを勧めています。

 いきなり警察に相談するのがためらわれる、警察に被害届を出すほどの実害といえるのか自分で判断できない、といった場合は、法務省の人権擁護局も相談窓口を設けていて、窓口・電話相談・メール相談を受け付けています。

 また、ノートンではネット上に不適切なコンテンツが掲載されている場合、当該サイトの運営者に電話かメールで削除またはブロックを要請する方法もあるとしています。削除要請などに対応するかは運営者しだいとなりますが、まっとうな運営会社であれば対応してくれる可能性は高くなります。サイトに運営会社への連絡方法や、会社の住所もないような怪しげなサイトの場合は、個人情報を渡してしまうだけとなる可能性があるため、慎重な見極めが必要。不安を感じたら、最初から法務省の人権擁護局に相談してみることをおススメします。

 調査結果について、シマンテックのノートン事業統括本部マーケティング部 部長の古谷尋部長は、「日本におけるオンラインハラスメントは深刻なものになりつつあります」と指摘。

 「オンラインハラスメントはネットの匿名性を悪用しているため、その実害を把握することは容易ではなく、未届け件数の多さからも、実際の被害は見かけ以上に広がっているとものと考えられます。トラブルを避けるには、ネットユーザー個人が安全とセキュリティを守るために基本的な予防策を講じることが大切です」と、セキュリティ設定やプライバシー設定などをはじめとした自衛策が大事だとコメントしています。

[工藤ひろえ]