破局した後、男性はリベンジに走り、女性はSNSを監視する傾向が! カスペルスキーがSNS時代のデジタルプライバシーに関するグローバル調査を実施
カスペルスキー研究所は3月6日(火)、日本を含む世界18カ国1万8,000人の男女を対象とした「デジタルプライバシーに関するオンライン調査」の結果を発表しました。
調査によると、「パートナーには秘密も隠し事もない」と回答した人は、世界全体では72%であるのに対して、日本では38%。日本人はパートナーに対しても、秘密をもつ人が比較的多いことがわかりました。
また、関係の破局がプライバシーの危機を引き起こすことも明らかになりました。破局後の行動には男女差があり、男性は復讐として相手の情報を公開する傾向が、女性はSNSで元パートナーを監視する傾向が強く出ています。
今回カスペルスキー研究所では、恋愛・夫婦関係にある時の行動や個人情報の管理などを幅広く調査し、結果を公開しています。世界18カ国で実施した調査のため、「自分の指紋で相手のデジタルデバイスのロックを解除できる」人が世界では25%もいるなど、日本人にとっては意外な結果も。
調査結果の詳細までチェックしたい人は、カスペルスキーの発表ページでチェックしてみてください。
日本人は秘密主義? 「パートナーには秘密も隠し事もない」と回答した日本は38%に留まる
「パートナーに対しては秘密も、隠したい事もない」と回答した人は、日本を含む世界全体では72%に上りました。それに対して、日本人に限定すると、隠し事のない人は38%と半分以下。
また、自分のデジタルデバイスの中で「パートナーに知られたくないこと」があるかを尋ねたところ、「ある」は世界全体で61%に対して、日本では83%と8割を超えました。
こうした結果から、カスペルスキー研究所は、日本人には自分のプライバシーに関わることを共有しない傾向がみられると分析しています。
パートナーに知られたくないものとして多くあげられたのは、世界でも日本でも「他人に送ったメッセージの内容」が1位でした。世界全体では24%、日本では43%が、他人に送ったメッセージの内容をパートナーに知られたくないとしています。
破局後の行動には男女差が! 男性はリベンジ、女性は潔くデータを削除するもSNSで監視する傾向
また、調査では、2人の関係が順調であれば問題ないものの、破局した場合に何らかの問題が生じることも明らかになりました。
ひとたび関係が壊れ始めると、愛し合う2人の愛の証だったデバイスやオンライン上のプライベートな思い出の数々が、プライバシーの危機を引き起こします。
調査では、日本を含む世界全体の回答者のうち、現在交際している恋人やパートナーの前に破局を経験したことのある1万1,311人(男性5,457人、女性5,854人)を対象に、破局後の行動について質問。
「復讐として元恋人や元配偶者の個人情報を公開した、または公開したいと思った」人は12%、「相手のデバイスにダメージを与えた、またはダメージを与えたいと思った」人は12%、「自分がアクセスできる相手のアカウントで相手を見張った」人が21%いることがわかりました。また、10%が「相手のお金をオンラインで勝手に使ったことがある」と認めており、金銭面でダメージを与えようとする人もいます。
興味深いことに、破局後の行動には男女差が見られます。
男性は、復讐として相手の個人情報を公開する(男性:17%、女性:7%)、相手の情報を自分の利益のために悪用したり(男性:17%、女性:8%)といった行動に出る人の割合が、女性より高くなっています。
対して女性は、破局後に自分のデバイスから相手の情報をすべて削除する(男性:49%、女性:55%)、相手の写真や動画をすべて削除する(男性:48%、女性:56%)、といった潔い行動に出る人の割合が男性よりも多いことがわかりました。
その一方で、SNSを通して相手を見張る(男性:28%、女性:33%)といった、元パートナーを監視する人は、男性よりも多くなっています。
日本では2013年に、芸能活動をしていた女子高生が元交際相手に殺害された上に、交際中のプライベートな写真をアダルト動画・静止画共有サイトで公開されてしまった「三鷹ストーカー殺人事件」が起こり、リベンジポルノ関連法案が成立するきっかけとなりました。
リベンジポルノ被害者の多くは女性ですが、調査の結果からも、男性の方がリベンジポルノに走りやすい傾向があることがわかりました。とはいえ、男性も安心はできません。女性でも、7~8%と少ないながら、相手の個人情報を公開したり悪用したりといった行動を考える人も存在することが同時に明らかになっています。
いったんネットに流出したら、多くの人の興味を引く動画や静止画を完全に消すことはできません。交際中にいくら気分が盛り上がっても、万一流出したら大きなダメージとなる動画や写真は撮らないにこしたことはなさそうです。