旭化成が吉野彰名誉フェローのノーベル化学賞受賞を発表 リチウムイオン電池の原型を世界で初めて考案・製作
旭化成株式会社が9日、旭化成名誉フェローの吉野彰氏が、リチウムイオン電池(Lithium Ion Battery)に関する研究開発の功績が称えられ、2019年度のノーベル化学賞を授与されることが決定したと発表しました。
吉野氏は、負極にカーボン、正極にLiCoO2(コバルト酸リチウム)を使用することにより、現在のリチウムイオン電池の原型となる二次電池を世界で初めて考案し、製作。さらに、正極の集電体にアルミニウム(Al)を使用するというリチウムイオン電池の基本技術開発、及び実用化のために必要な電極化技術、電池化技術、周辺技術開発を行ない、リチウムイオン電池という小型・軽量の新型二次電池を実用化したとのこと。
リチウムイオン電池は、現在の携帯電話やノート型パソコンなどのIT機器の世界的な普及に大きく貢献したとともに、今後、電気自動車等の新規市場へのさらなる広がりが期待されています。
経歴書
氏名：吉野彰(よしの あきら)
生年月日：1948(昭和23)年1月30日生(満71歳)
出身地：大阪府吹田市
専門分野：電気化学、量子有機化学
現職：旭化成名誉フェロー
【学歴】
1972(昭和47)年3月 京都大学大学院工学研究科石油化学専攻修士課程修了
2005(平成17)年3月 工学博士号取得
【職歴】
1972(昭和47)年4月 旭化成工業(現旭化成)(株) 入社
研究開発部
1982(昭和57)年10月 〃 川崎技術研究所第一研究室
1992(平成 4)年 3月 〃 イオン二次電池事業推進部商品開発グループ長
1994(平成 6)年 8月 (株)エイ・ティーバッテリー 技術開発部担当部長
1997(平成 9)年 4月 旭化成工業(現旭化成)(株) イオン二次電池事業グループ長
2001(平成13)年 5月 旭化成(株) 電池材料事業開発室長
2003(平成15)年10月 〃 旭化成グループフェロー
2005(平成17)年 8月 〃 吉野研究室長
2015(平成27)年10月 〃 顧問
2017(平成29)年10月 〃 名誉フェロー(現在)
【主な団体役職】
2010(平成22)年 4月 技術研究組合
リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC) 理事長(現在)
2015(平成27)年10月 九州大学エネルギー基盤技術国際教育研究センター 客員教授
2017(平成29)年 7月 名城大学大学院理工学研究科教授(現在)
2019(令和 1)年 6月 九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター 訪問教授(現在)
【表彰歴】
1999(平成11)年 3月 (社)日本化学会 平成10年度化学技術賞
1999(平成11)年10月 Electrochemical Soc. 1999 Technology Award of Battery Division
2001(平成13)年 4月 (財)新技術開発財団 平成13年度市村産業賞功績賞
2001(平成13)年10月 (社)発明協会 関東地方発明表彰文部科学大臣発明奨励賞
2002(平成14)年 6月 (社)発明協会 全国発明表彰文部科学大臣発明賞
2003(平成15)年 4月 文部科学省 文部科学大臣賞科学技術功労者
2004(平成16)年 4月 日本国 紫綬褒章
2011(平成23)年11月 (財)材料科学技術振興財団 山崎貞一賞
2011(平成23)年11月 NEC C&C財団 NEC C&C賞
2012(平成24)年 6月 IEEE Medal for Environmental&Safety Technologies.
2013(平成25)年 6月 ロシア The Global Energy Prize
2013(平成25)年11月 (財)加藤科学振興会 加藤記念賞
2014(平成26)年 2月 アメリカ The Charles Stark Draper Prize
2016(平成28)年 9月 日本国 NIMS アワード 2016
2018(平成30)年 4月 (公財)国際科学技術財団 Japan Prize(日本国際賞)
2019(令和 1)年 6月 欧州特許庁 欧州発明家賞