SNS事業者が作る団体が緊急声明を発表「報道されているような痛ましい事態を受けて、実効性ある取組を行わなければならない」
LINEやTwitter、FacebookなどのSNS事業者らが組織する団体・ソーシャルメディア利用環境整備機構(SMAJ)は、バラエティ番組「テラスハウス TOKYO 2019-2020」に出演していた木村花さんが亡くなったことを受け、緊急声明を発表しました。
緊急声明では、「今般報道されているような痛ましい事態を受けて、これらの問題への対処にあたって、実効性ある取組を行わなければならない」として、新たに特別委員会を設置し、さらなる対策を検討していくとしています。
SMAJは、インターネットやSNSの利用を介して、個人に対する名誉毀損や侮辱等を目的とした投稿を未然に防ぐべく、ソーシャルメディアの健全な利用を目指して、2020年4月24日に設立されたばかりの団体。
SNS事業者らは、児童が安心・安全にインターネットを利用できる環境の整備を目的として、警察庁の協力のもと、「青少年ネット利用環境整備協議会」を2017年7月に発足しましたが、ソーシャルメディアに特化した対策を強化するためSMAJが新たに設立されました。
SMAJは今回の声明で、禁止事項の明示と措置の徹底、取組内容の公表、健全なソーシャルメディア利用に向けた啓発などの取り組みを進めていくほか、捜査機関への協力、政府・関係団体との連携も積極的に行っていくとしています。
団体自体が設立されたばかりということもあり、緊急声明ではおおまかな方針が示されるにとどまりました。
一方で、5月26日の国会では、高市総務相が匿名の発信者特定を容易にするため、制度改正などの対応を進めていく考えを表明。有識者会議などの検討結果も踏まえた上で、スピード感を持って進めていきたいと答弁しました。
現状、SNS事業者はプロバイダー責任制限法による発信者情報の開示に応じていますが、一方で利用者の個人情報保護にも務めなくてはならない義務があるため、法整備がスピード感をもって進められれば、匿名の発信者による誹謗中傷への対応も進むと見られます。