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アサヒカメラ2月号、緊急企画「写真を無断使用する“泥棒”を追い込むための損害賠償&削除要請マニュアル」が大反響で完売続出! 異例の3月号再掲載へ

[2017/2/20 15:51]

 朝日新聞出版は、「アサヒカメラ」2月号が完売続出で「読みたいのに買えない!」という読者の声に応えて、2月号で掲載した緊急企画を2月20日(月)発売の3月号にも再掲載すると発表しました。価格は900円(税込)。

「アサヒカメラ」3月号表紙。2月号の緊急企画「写真を無断使用する“泥棒”を追い込むための損害賠償&削除要請マニュアル」が大反響で書店で完売が続出、3月号で異例の再掲載が決定

 「アサヒカメラ」2月号では、緊急企画として「写真を無断使用する“泥棒”を追い込むための損害賠償&削除要請マニュアル」を掲載。これがネットなどで大きな反響を呼び、書店での完売が続出したため、再掲載に踏み切ったとのこと。

 雑誌で、前号に掲載した記事を再掲載するのは異例中の異例。

ネットで大反響を呼んだ緊急企画記事「写真を無断使用する“泥棒”を追い込むための損害賠償&削除要請マニュアル」。弁護士監修の下で、削除要請文や損害賠償請求を求める文書の実例も掲載

 緊急企画「写真を無断使用する“泥棒”を追い込むための損害賠償&削除要請マニュアル」では、まとめサイトやSNSなどで写真を無断使用された写真家の被害例とともに、写真の削除を要請する文書や、損害賠償請求をする文書の実例を弁護士監修の下で掲載。

 それだけではなく、緊急企画記事では相手がパクったことを認めない場合に備えての対策なども具体的に伝授しています。

 アサヒカメラの佐々木広人編集長は「アサヒカメラ」3月号編集後記で「今回あらためて感じたのは、著作権を侵害する『まとめサイト』への怒りの大きさです。特にライター、イラスト、漫画などの製作者の方々からも支持されたことは、ジャンルを問わず著作権が危機にあることの表れだと感じました。」と反響の大きさを振り返っています。

 同時に、「別の不安もあります。著作権が声高に叫ばれるあまり、畏縮ムードになり、本来触れられるはずの作品や論評までが共有できなく恐れがあるのです。行き過ぎた著作権意識は、かねて本誌で指摘してきた肖像権問題と同様、写真文化の醸成を阻むことになりかねません」と危惧しています。

 ネットで最も無断転載されやすいのが写真。緊急企画への反響の大きさを見て、アサヒカメラでは、4月号から「写真と法律」をテーマにした特集を断続的に展開。読者と一緒に現状を整理し、方策を考えてみたいとしています。ネットと著作権について関心のある人は、今後刊行されるアサヒカメラにも要注目です。

[工藤ひろえ]