旧型iPhoneが遅くなる問題でバッテリ交換を半額以下の3,200円に値下げ! 「買い替えを促すためにApple製品の寿命を意図的に縮めたことは決してない」
アップルは28日、iOSアップデートによりiPhone 6/6 Plus/6s/6s Plus/SEの動作が遅くなる問題で、事実関係と対応策について発表しました。この問題は、旧世代のiPhoneがiOSのアップグレードにより、動作速度が抑制されるというもので、「意図的に動作速度を抑え、新製品への買い替えを促している」などとして訴訟も起こされています。
同社では、「Appleの対応や、Appleの対応をお伝えする方法についてフィードバックをいただいてきました。Appleへの期待を裏切られたと感じる方もいらっしゃるでしょう。心よりお詫び申し上げます」と謝罪するとともに、「この問題に関しては多くの誤解が生まれているため、事実を明確にし、私たちが行う変更についてお知らせします」としています。
今回の問題発生の経緯については、バッテリーが化学的に古くなると、特にバッテリー残量が低下している時にピークエネルギーの負荷を処理する能力が落ちるため、状況によっては結果的にデバイスが突然シャットダウンする場合があり、それを防ぐために1年ほど前に、iOS 10.2.1で、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE上での予期しないシャットダウンを防ぐため、ピーク負荷時の電力管理を向上させるソフトウェアアップデートを提供したとのこと。
このアップデートでiOSは、シャットダウンを防がなくてはならない状況下で、一部のシステムコンポーネントの最大パフォーマンスを動的に管理するようになり、場合によってはアプリケーションの起動時間が長くなったり、そのほかの部分のパフォーマンスが低下する可能性があるとしています。ただし、同社では「ユーザーがこうした変更に気づくのは稀だと思われます」としています。
この対応として、「愛用に感謝する同時に、Appleの意図に疑問を抱いたすべての方の信頼を取り戻すため」(同社)、バッテリーの交換が必要なiPhone 6以降のユーザー全員に、保証対象外のiPhoneのバッテリー交換の金額を8,800円から5,600円減額し、3,200円にするとのこと。この対応は2018年12月まで全世界で継続されます。
なお、iPhoneの充電式バッテリーと、そのパフォーマンスに影響を与える要素については、「iPhoneのバッテリーとパフォーマンス」という新しいサポート記事が公開されています。
同社では、「製品の買い替えを促すために、意図的にApple製品の寿命を縮めたり、ユーザーの体験が損なわれるようにしたことはこれまでに一度もなく、今後も決してない」とし、「Appleの目標は常に、夢中になるような製品を作ることであり、iPhoneをできるだけ長く使えるように設計することはその重要な要素の一つ」としています。