2ちゃんねる創設者のひろゆき氏、米国の巨大掲示板「4chan」管理人に就任
米国の巨大掲示板「4chan」は9月21日(現地時間)、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏(西村博之さん)が4chanの管理人に就任したと発表しました。
4chan創設者moot氏は発表文で、ひろゆき氏を匿名コミュニティの先駆者と紹介。2ちゃんねる創設によって広まった匿名コミュニティ文化が日本の画像掲示板「ふたばちゃんねる」創設につながり、「ふたばちゃんねる」にインスパイアされてできたのが「4chan」であることから、ひろゆき氏は4chanの祖父と言えるとしています。
moot氏は2011年にひろゆき氏と初めて会い、オンライン上のコミュニティを作り運営することへの熱意が二人を結びつけすぐに親しくなったとのことです。moot氏はまた、ひろゆき氏は1,000万人を超える利用者に長期にわたってオンライン上での居場所を提供し続けることについて深く理解している数少ない人物のひとりであるとして、4chan管理人としてひろゆき氏以上にふさわしい人物はいないと、ひろゆき氏を管理人と決めた理由を説明しています。
2ちゃんねるを創設したひろゆき氏ですが、現在の2ちゃんねるはトップページで、2ch.netの管理運営権は2012年にRace Queen Inc.に譲渡されたと書かれています。詳しい事情はわかりませんが、管理実権をRace Queen Inc.が押さえた際にひろゆき氏は2ch.scを新たに創設。2ちゃんねる住民はどちらにつくのかの選択を迫られることになりました。
2ちゃんねる住民は「専ブラ」と呼ばれる2ちゃんねるリーダーアプリを使っているユーザーが多く、2ch.scができた当初は専ブラが2ch.scを標準で読めず外部板として手動で登録する必要があったことや、Race Queen側はサーバーを掌握すると、2ちゃんねるで長いこと対応されなかった特定の“荒らし”への対応を素早く行ったり、書き込み制限を緩和するなどの対処を行ったことで、結局2ch.net住民の大移動は起こりませんでした。
2ちゃんねる管理人としての立場は不透明なままとなっているひろゆき氏ですが、今回4chan管理人に就任したことで、名実ともに巨大掲示板の管理人に返り咲いたことになります。
ちなみに、現在では2ちゃんねるでも「ひろゆきって何したの?」といった書き込みが見られます。もともと匿名掲示板は2ちゃんねるだけでなく複数ありましたが、スクリプト荒らしで潰れたり、あるいは匿名掲示板にはつきもののネガティブな書き込みが法的トラブルに発展しそうになって管理人が閉鎖したりで、2ちゃんねるに収束されていく形で2ちゃんねるが巨大化していった経緯があります。
しばしば報道されたように、2ちゃんねるの書き込みを削除対応せず放置したとして管理人であるひろゆき氏は何度も民事で訴えられ、裁判に出席しなかったことで文字通り欠席裁判となって負け続け、巨額な賠償金を負債として背負うことになりました。
普通なら自分が書いたわけでもない書き込みで裁判沙汰に巻き込まれるくらいなら、掲示板を閉鎖してしまうところですが、債権者に追われる生活になってもひろゆき氏が体をはって掲示板を守ったのは事実。ひろゆき氏時代の2ちゃんねる運営方針や運営スタッフに不満をもっていた利用者も少なくないとは思いますが、現在も巨大掲示板2ちゃんねるが残っていること自体が、ひろゆき氏でなければできなかった最大の功績と言っていいのではないでしょうか。
文字だけの実況からニコニコでの映像を見ながらの実況へと、新しいネットの楽しみ方を作ってきたひろゆき氏が、今後4chanをどう変えていくのか注目されます。