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「ハートの国のアリス」などで知られる乙女ゲームブランド「QuinRose」の会社、アートムーヴが事業停止に

[2015/10/2 11:28]

 「QuinRose(クインロゼ)」のブランド名で「ハートの国のアリス」「アラビアン・ロスト」などのシリーズを制作・販売していた株式会社アートムーヴが事業停止していたことが東京商工リサーチの倒産情報で明らかになりました。負債は現在調査中とのこと。

 東京商工リサーチによると、女性向け恋愛アドベンチャーゲーム制作販売のほか、ゲーム上のボーカル曲を収録した音楽CD、キャラクターをあしらった服飾雑貨などのグッズも扱うほか、他社ゲームソフトの移植も行っていましたが、市場の競争激化やモバイルゲームの伸長といった環境の激変で売上が減少。業績回復の見通しが立たないことから、事業継続を断念し、今回の措置となったとのこと。

乙女ゲームブランド「QuinRose」の公式サイトトップページ。サイトは現在も閲覧でき、新製品のリリース予定なども掲載されたままとなっています

 東京商工リサーチに情報が出たことを受け、QuinRoseの乙女ゲーム「マーメイド・ゴシック」の絵師である平未夜さんは、現在DMMで配信されているR18版のマーメイド・ゴシックのスチルは全年齢向け商品のPSP版に納品したスチルの頭部などを切り貼りなどして改変されたもので、全裸のスチルなどは描いておらず、R18版をリリースするにあたってのスチル改変は絵師にまったく断りなく行われたことをTwitterで明らかに。著作人格権の同一性の保持に反するとして、現在弁護士を通して配信の停止を申し入れているとのことです。

 また、乙女ゲーム「ハートの国のアリス」はミュージカル化され、2016年1月の再演が発表されていましたが、アートムーヴの事業停止により実施は難しくなるものと思われます。

 ネットでは引き払ったアートムーヴの事務所入り口の写真などがアップされており、法的問題の対処に当たる担当者などはすでに連絡がつきにくくなっていると思われます。

 「QuinRose」ブランドでは多数の乙女ゲームがリリースされていますが、おもに携帯ゲーム機向け作品だったことから、スマホ向けに移植するなどの目的で今後タイトルやブランドを買い取る企業があるのかなど、既存ゲームタイトルの去就がファンの間で話題になっています。

[工藤ひろえ]