ゲーム・ホビー

SLファンはお見逃しなく! 大井川鐵道でC11型190号機に新春から門デフ取り付け~元日・2日は日章旗と新年ヘッドマーク

[2016/1/1 00:00]

 大井川鐵道(静岡県島田市)は新春から、蒸気機関車(以下SL)C11形190号機の除煙板(デフレクター)を九州地区で活躍していた型(通称 門デフ)に変更して運転します。

 門デフ取り付け期間は2016年1月から3月まで。ただし、1月1日(金・祝)と1月2日(土)は日章旗と新年ヘッドマークをつけての運転となります。

門デフ取り付け時
新年ヘッドマークと通常のデフレクタ

 C11形190号機は熊本地区を中心に活躍していたSLですが、「門デフ」の取り付け実績はありません。しかし、鉄道ファンの間からは「九州にゆかりのあるSLにぜひ「門デフ」を取り付けてほしいという声が多くあがっていたとのこと。

 2016年には大鉄SLの本線営業運転が40周年にあたり、節目の年となることから、大井川鐵道では「門デフ」を取り付け、九州男児らしさを強調した姿に生まれ変わらせるとのこと。期間は3月までの限定となるので、SLファンはお見逃しなく。

 なお、大井川鐵道では他のSLといっしょに使用するため、運行日は確定していないとのこと。確実に見たい人は事前に問い合わせるとよさそうです。

 また、門デフの取り付けはイカロス出版のSLホビー誌『蒸気機関車EX』とのタイアップ企画。発売中の『蒸気機関車EX』Vol.23(12月21日発売)に表2&巻頭ポスター仕様で門デフC11の写真が掲載されているほか、製作工程などは『蒸気機関車EX』Vol.24(3月19日頃発売予定)で記事掲載予定とのこと。SLファンはあわせてチェックしたいところです。

門デフについて

 C11形190号機は、川崎車両で1940年製造。早岐機関区(長崎県)や熊本機関区など九州を中心に活躍し、1974年 熊本で廃車になりました。廃車後は八代市の個人の方が所有していましたが、2001年6月、大井川鐵道に入線。2003年7月19日に営業運転を開始しました。

 SLの正面両脇には除煙板(デフレクタ、デフ)が取り付けられています。除煙板は走行中、煙突から吐き出される煙が車体や運転席にまとわりつかないように気流を変えるための重要な部品ですが、SLの駆動力を伝えるシリンダが除煙板の下にあります。

 シリンダの保守を行う際に除煙板があると作業がしにくかったことから調査を多なった結果、除煙板の下部は気流変化の影響が少ないことがわかり、戦後、九州の小倉工場で除煙板の下半分を省略し、山形鋼で固定した「小倉工場式切取除煙板」が誕生。九州で活躍するSLの多くに採用されるようになりました。

 「小倉工場式切取除煙板」は、小倉工場のある門司鉄道管理局管内であることから「門デフ」と呼ばれるように。「門デフ」は保守現場から歓迎されたほか、「九州を走るSLを象徴するスタイル」と言われ、「門デフ」を付けた車両は国鉄時代からSLファンに大人気となりました。

[工藤ひろえ]