スマホゲーム「グランブルーファンタジー」運営会社に消費者庁の立入検査を求めるネット署名が2,000人を突破
ネット署名サイトchange.org内で行われている、「スマホゲーム『グランブルーファンタジー』の運営会社に消費者庁の立入検査を求める」ネット署名が2,000人を突破しました。
ネット署名の主催者は2,000名突破に先立って、1月12日にそれまでに集まった署名1,700人分を消費者庁に提出したと署名ページで発表しており、今後は一定数集まるごとに提出するとのことです。
サイゲームスが運営する『グランブルーファンタジー』は、Google PlayやApp Storeで常に売上上位にいる人気スマホゲーム。年末年始にはTV CMが流れていたのでCMを目にした人も多いのではないでしょうか。
大人気ゲームの『グランブルーファンタジー』のガチャが「景品表示法違反に当たるのでは」という話題が広がったのは、2015年12月31日に限定の新キャラクター「十二神将・アンチラ」などを追加したことがきっかけでした。
限定の新規キャラ解放武器「アンチラ」を引くまで続けるニコ生実況がきっかけに
ゲーム内の「ゆく年くる年レジェンドフェス」で同時に追加された新規キャラ解放武器「ユーステス」「ベアトリクス」「アンチラ」はいずれもレアリティが「SSレア」となっており、いずれも期間限定でこれら「新規キャラ解放武器」の出現率がアップするとゲーム内で説明されていました。
ところが、ニコニコ生放送で12月31日に「アンチラを引くまで回すのをやめない」というガチャ実況をしたユーザーが、新キャラ「アンチラ」を引くまでに2276連(70万円弱)かかったことがユーザーの間で大きな話題に。
その後もTwitterで「アンチラ」を出すまで70万以上かかったといった報告が複数上がり、期間限定の新規SSレアのうち、「アンチラだけ極端に出現率が低いのでは」という疑惑がユーザーの間で広がりました。
“200連ガチャを回してもお目当てのSSレアが出ない”といったことは他のソーシャルゲームでもよくありますが、一方で、「単発で出た!」といった報告も見られるもの。確率は収束するとはいえ、数百回程度の試行では収束しませんので、出る時は10連であっさり出る一方で、何100連しても出ない時は出ないのがガチャというものです。
とはいえ、アンチラの場合、「出現率が低い」と感じるユーザーの方が圧倒的に多かったようで、“SSレアのキャラによって出現率が異なる設定をしているとしたら、有利誤認表示に当たるのではないか」といった指摘の声も上がるように。
出ないユーザーが多くいる中で、ゲームの出演声優がTwitterで「10連でアンチラが出た」とつぶやいたことも、「ステマではないか」との疑惑を招き、炎上を加速させることになりました。
出現率はレアリティごとの公表という業界慣習の問題
『グランブルーファンタジー』では、ガチャの出現率を公表していますが、出現率はレアリティごとの公表となっていて、キャラごとの出現率は公表されていません。これは他のソーシャルゲームでもほぼ同様で、SSレアの特定キャラが出現率アップと発表されても、「キャラごとの出現率」というユーザーが一番知りたい情報はヒミツ、というのがソーシャルゲームのガチャでは標準となっています。
運営会社のサイゲームスは、ユーザーから苦情が寄せられたことで、調査を実施し、出現率などに問題はないと説明していますが、納得がいかないユーザーの間から消費者庁に直接訴えようという声があがり、今回の署名運動につながりました。
SSRガチャのキャラクターごと、アイテムごとの出現率については、ほとんどのソーシャルゲームでブラックボックスとなっているのがユーザーの疑心暗鬼を招いていることは明らか。ユーザーとしては、「公表したら不都合でもあるのか」と勘ぐりたくなるのも無理はありません。
アニラとのエピソードクリアで性能アップは「コンプガチャではないか」という指摘も
また、『グランブルーファンタジー』では、「アンチラ」はコンプガチャに当たるのではないかという指摘も上がっています。ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会の定めた基準として、(1)運営が指定したアイテムやキャラを集めると別のアイテムやキャラがプレゼントされるものと、(2)指定のものを集めると攻撃力アップなどのメリットがあるものがコンプガチャに当たるとされています。
コンプガチャ(コンプリートガチャ)の問題点は、最初は比較的簡単に引けても、コンプに必要な残りアイテムを引こうと続けるうちに引ける確率が限りなく低くなっていく一方で、ユーザーはコンプでもらえるレアグッズやレアキャラのために、それまでにかけた費用もあって後に引けなくなり、コンプリートするまで引いて予想外の大きな出費をしてしまう点にあります。
コンプガチャ問題については、消費者庁の指導もあり業界団体であるソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会が自主規制ルールを設けたことで一段落した形になりました。
ところが、今回問題になっている「アンチラ」は、同じく限定キャラの「十二神将 アニラ」との特別エピソードがあり、エピソードをクリアすると「アニラ」のATKが+530、「アンチラ」のHPが+270性能アップすることが判明。
2つのキャラが揃うと出現するエピソードがあり、エピソードをクリアすると性能がアップするのは、コンプガチャの「(2)指定のものを集めると攻撃力アップなどのメリットがあるもの」に当たるのではないかとして、この点も問題と指摘されています。