ネットで「マスコミは報道ヘリ自粛しろ」の声~人命救助が続くなか、「報道ヘリの騒音が救助の邪魔」の声が多数
熊本地震が連日報道されていますが、ネットでは報道ヘリの音が人命救助の妨げになるのではと危惧する声が多くなっています。
日本テレビは4月18日(月)17:20ごろ、倒壊した家屋からブルーシートがかけられ、被災者が運びだされたと思われる様子を“実況”。これを見たネット民からは、「報道ヘリの音で、助けを求める声がかき消されたらどうするんだ」との声が多く上がりました。
また、被災者からも4月16日に、「報道車が路肩に停めてあって渋滞が発生。報道ヘリが1日中飛んでいて騒音で怯える子がいます。何分か置きに中継をつないでも同じセリフの繰り返し。必死に瓦礫を片付けてるひとを撮影して『頑張ってください』の一言で終わり。報道の在り方って何ですか? そんなことする前に手伝え」とのつぶやきの声が上がり、2,000回以上リツイートされています。
ネットではこうした報道姿勢に強い批判の声が。
「救助した人をブルーシートで覆いながら歩かざるをえないのは、報道ヘリが空から撮影してるからでしょ。 助けを求める声を掻き消すし、救助作業の能率だって下げてる」
「報道ヘリのせいでブルーシートたくさん使わなきゃいけないし、そうなると人手がたくさんいるし、迷惑だってわからないの?」
また、報道関係者からも、救助活動が行われる状況での報道ヘリの騒音を問題視する声が上がっています。
在京民放キー局のプロデューサーだという「草井兎三」さんは、4月16日にTwitterで「【拡散希望】熊本・九州エリアの系列局に『報道ヘリを飛ばさないよう』要請しました。ここから72時間の救助活動が生死を分けます。マスコミヘリは救助を妨げる騒音でしかありません。各局続いて下さい。優先すべきは要救助者です。視聴者の皆さんも、空撮映像がなくても、しばし我慢して下さい」とツイート。
雑誌「月刊Wedge」の編集長・大江紀洋さんも4月16日に、「阪神淡路大震災のとき東灘区の高校生で報道ヘリの音は恨めしかった。そんな映像を各社が競ってだらだら流して何の役に立つのか。1地区1社に調整し、撮れたら去ってほしい。住宅崩壊現場でレスキュー隊にブルーシートや毛布で目隠しさせるのも人手が余計にかかる」とツイートしています。
大きな災害が起こるたび、「報道ヘリが救助の邪魔」ということが毎回批判されながら一向に改善されないのを見て、ネットでは「救助は初動72時間が勝負。せめて72時間は報道ヘリが飛ばないよう、法制化できないのか」など法律で規制することを求める声まで上がっています。
報道ヘリから救助現場を“実況”した日本テレビでは、「情報ライブ ミヤネ屋」司会の宮根誠司さんが、避難所に適切に物資が届かないことについて「東日本大震災など過去の震災の経験がまったく生かされていない」と繰り返し批判していました。報道関係者も、阪神・淡路大震災や東日本大震災の際の反省と批判をもっと真摯に受け止めて生かすべきではないでしょうか。