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「鋼の錬金術師」が曽利監督で実写映画化。山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、松雪泰子~アクションやCGに巨額の予算投下

[2016/5/24 15:22]

 世界21ヶ国で発売され、シリーズ累計部数7,000万部を突破した、海外にもファンが多い“ハガレン”こと「鋼の錬金術師」がついに実写映画化され、2017年冬にワーナー・ブラザース映画配給で全国公開されます。

 錬金術が存在するファンタジーな世界観は日本での映像化は不可能と言われ、ハリウッドでの映画化もウワサされましたが、「るろうに剣心」、「デスノート」を実写映画化したワーナー・ブラザース映画が、実写映画化に挑戦。

 世界観の表現を追求してイタリアロケを6月から開始、日本での撮影を経て8月下旬に撮影終了を予定とのこと。さらにアクションやCG映像にも巨額の予算が投下され、「日本映画の枠を超える破格のスケールの映画の誕生が期待できる」そうです。

 主役のエドワード役は、山田涼介さん(Hey! Say! JUMP)(22)。今回の出演にあたって「僕自身も小さな頃から読んでいたのですが、現実離れした世界観でありながらもヒューマンドラマがちゃんと描かれている、そこに多くの人が心を惹きつけられているのだと思います。今回主演という立場を頂いた時は、原作が好きだからこそ、どんな作品になるのか疑問と想像が膨らみ、自分がこのプレッシャーに勝てるのか? という気持ちもありました」と期待と不安を語っています。

エドワード(山田涼介さん)

 また、「(アクションについて)できる限りスタントは入れず、自分を追い込んでやってみたいと思っています。CGなどの技術の発達がある今この時代だからこそ、実現できる。原作ファンの方には勿論、原作を知らない方にも、この作品の凄さをスタッフ・キャスト一同で作り上げていけたらと、身体を鍛え役への理解を深めることで、今は決意が固まりました」と気合十分。

アルフォンス・エルリック

 映画化が決定に、原作者の荒川弘さんは「色々なメディア展開をしてきた鋼の錬金術師ですが、なんと実写化!マンガでは豆粒ドチビのすぐキレる主人公なので、山田さんに演じていただくのは、なんだか申し訳ない気分です…!! (あ、ヒロインもすぐキレますね。すみません…)曽利監督はマンガ表現とリアル部分をつなぐCGを上手に使われる方なので、アニメやゲームとはまた違った表現を見せていただけそうで楽しみです!」と期待を寄せています。

原作コミック 第一巻

 さらに、エドとアルの冒険に立ちはだかるホムンクルス(人造人間)役、謀略に長けた“色欲”のラスト役には松雪泰子さん。「世界中にファンがいる今作。演じさせて頂くキャラクターは原作ファンの方々の思い入れも強いキャラクターだとお聞きし、身の引き締まる思いです。曽利監督とも実写の映画では初めてですので、どんな作品作りになるか、楽しみにしております」と語っています。

ラスト
松雪泰子さん

 エドたちの幼馴染で機械鎧(オートメイル)技師のウィンリィ・ロックベル役は、「連載当初から読んでいて、単行本も完全版も大切に持っている本当に大好きな作品」と原作の大ファンを公表している本田翼さん(23)。「プレッシャーが凄いです。原作ファン、そして私たちの世代にこそ観て欲しいし、観たいと思わせる作品にできたらと思っています。海外での撮影は初めてなので、しっかり準備をして臨みたいと思います」とも話しています。

ウィンリィ・ロックベル
本田翼さん

 さらに、兄弟の良き理解者で、若き士官“焔の錬金術師”の名を持つロイ・マスタング役にディーン・フジオカさん(35)。原作でも人気の高い役とあって「人気のマスタング大佐を演じさせて頂くプレッシャーはありますが、原作ファンの皆様の大きなご期待を背負えるようにまずは身体をひとまわり大きく増量して、役作りに望みたいと思います。学生時代にはボクシング、俳優のキャリアを始めてからは中華武術やテコンドーを含め日常的に練習し、過去の仕事でもアクションを撮影してきたので、その経験が今回の新しいチャレンジに活かせるよう頑張ります」と心境を語っています。

ロイ・マスタング
ディーン・フジオカさん

 さらに、マスタング大佐の親友ヒューズ中佐役に佐藤隆太さん、マスタングの側近ホークアイ中尉役に蓮佛美沙子さん、ロス少尉役に夏菜さん、国家錬金術師のタッカー役に大泉洋さん、ドクター・マルコー役に國村隼さん、ハクロ将軍役に小日向文世さん。また、“嫉妬”のエンヴィー役に本郷奏多、“暴食”のグラトニー役に内山信二さん、ホムンクルスと共謀するコーネロ教主役に石丸謙二郎さんがキャスティングされています。

 曽利文彦監督は、「『ピンポン』は企画段階から参加し、自らの想いが強く反映された作品ですが、今作はそれ以来となる、自らが立ち上げた作品であり、特別な思い入れがあります。『鋼の錬金術師』の世界観やテーマ性、そして“生きていくことの真実”を描いた、この素晴らしいストーリーを幅広い世代にご覧いただけるよう、チーム一丸となって全力で取り組んでいきたいです」と映画化への情熱を語っています。

 エグゼクティブ・プロデューサーのワーナー・ブラザース映画の濱名一哉さんは「『ハリー・ポッター』、『るろうに剣心』シリーズのワーナー・ブラザース映画が、自信を持って贈る、日本発のワールド・クラスの巨大プロジェクトです。世界中をアッと驚かすような作品を目指していきたいです」と、国内に留まらないワールドワイドな展開を視野に入れているそうです。

ヒューズ中佐(佐藤隆太さん)
ホークアイ中尉(蓮佛美沙子さん)
ロス少尉役(夏菜さん)
タッカー(大泉洋さん)
ドクター・マルコー(國村隼さん)
ハクロ将軍(小日向文世さん)
エンヴィー(本郷奏多さん)
グラトニー(内山信二さん)

ストーリー

 錬金術とは物質の構成や形状を変化させ新たなものに作り替える技術で、無から有を生む万能の術ではなく、「等価交換」を原則とする厳正科学である。

 幼い頃、亡くなった母にもう一度会いたいという想いから“錬金術”において最大の禁忌とされる人体錬成を行った兄、エドワード・エルリックと弟、アルフォンス・エルリック。しかし、錬成は失敗。エドワードは左足を、アルフォンスは体全てを失ってしまう。

 エドワードは自身の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成して、鎧に定着させることに成功し、アルフォンスは一命を取り留める。時が経ち、エドワードは自ら失った右腕と左脚に機械鎧(オートメール)を装着し、失った身体を取り戻す手掛かりを得るために国家錬金術師となり、“鋼”の錬金術師と呼ばれていた。

 そしてその手掛かりが“賢者の石”と呼ばれる伝説の石であることを確信する。弟の体を取り戻すために命をかける兄と、彼を支える鎧姿の心優しい弟。亡き母の「人体錬成」の代償として失った全てを取り戻すため、不可能を可能にするほどの絶大な力を秘めると言われる“賢者の石”を探す二人の壮大な冒険の旅が今、始まる――やがて“賢者の石”を探す旅は国家をも揺るがす巨大な陰謀をめぐる熾烈な戦いへ変貌していく―

[古川 敦]