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石巻3人殺傷事件で元少年の死刑確定。ネットの声「犯行を考えたら当然」「投票できる18歳は子どもじゃない」

[2016/6/16 16:45]

 石巻3人殺傷事件の主犯である元少年A(犯行当時18歳)の上告が今日6月16日に棄却され、死刑が確定したことが報道されています。

 NHKは15時台のニュースで元少年を実名で報道。事件が女性2人の命を奪うなど凶悪な重大犯罪で社会の関心が高いこと、元少年の死刑が確定したことで、社会復帰して更生する可能性が事実上なくなったことなどから、実名報道に踏み切ったと説明しました。

 石巻3人殺傷事件は、2010年に当時18歳だった主犯の少年Aが、少年Bと共に石巻市内にある元交際相手の少女の実家に押し入り、2階で寝ていた少女の姉と少女の友人の女子高生を牛刀で複数回刺して殺害した事件。さらに、その場に居合わせた男性の胸を刺して重傷を負わせ、少女の左脚を刺して無理やり車に乗せて現場から拉致しました。

 犯行は午前6時40分頃で、警察は13時過ぎに逃走中だった少年2人の身柄を確保、逮捕。怪我を負った少女は保護されました。

 殺害された少女の友人は、家に押しかける少年Aを恐れた少女にたのまれて少女の家に泊まっていました。

 少年Aは少年Bを脅して実行犯役を指示したものの、直前に少年Bが拒否。自ら犯行に及んだものの凶器に少年Bの指紋を付けさせたり、少年Bの衣服を奪いとって着用するなど、少年Bに罪を着せる工作を行なっていたことも裁判で明らかになっています。また、裁判では「家庭環境を話せば裁判官が同情してくれる」と少年Aが話していたとの証言もありました。

死刑確定にネットの声は

 裁判員裁判で犯行時未成年だった少年に死刑判決が出たのはこの石巻3人殺傷事件が初めて。また、平成生まれの死刑囚も元少年Aが初となります。NHKが少年事件の犯人を実名で報道するのもこれが初と思われます。

 悪い意味で初めて尽くしの事件だけに、ネット上ではさまざまな感想や意見が。

 死刑確定については、「やったことを考えたら当然」、「もう残虐な犯行が少年法で守られるのはうんざり」など、犯行当時少年だったとはいえ、死刑確定をやむを得ないと考える人が多いようです。また、「これで“未成年だから”って少年法の上にあぐらかいて凶悪犯罪やらかすバカが減るといい」など、少年Aの死刑確定による抑止効果を期待する声も多く上がっています。

 一方で、数は少ないものの、「少年犯罪はどんどん厳罰化、そして低年齢化している」と少年事件の厳罰化を憂うツイートも見られました。

 また、少年事件では初の裁判員裁判での死刑確定とあって、「死刑確定に自分の判断も入っていると思ったらPTSDになりそう」など、裁判員の心理的負担を心配する声も。たしかに、我が身に置き換えて想像すると、少年事件の死刑に賛成であっても、かなり精神的にキツいと思わされます。

 NHKが実名報道に踏み切った点について言及するツイートも多数見られます。「死刑が確定すると 少年でも実名報道になるんだね…」、「元少年でも死刑確定なら氏名公表になるん?」など、やや意外に受け止めた人が多いようです。

 もっとも、ネット上では事件当時から少年Aの顔写真や実名が出回っています。現在は大きな事件を起こせばマスコミが報道しなくても、本人や友人が公開しているSNSなどからすぐに実名や顔写真、学校などが特定される時代。実際上はマスコミが実名を伏せてもあまり意味がないケースも多くなっています。

 年齢については、「少年つっても当時18なんだよね」というツイートに見られるように、夏の参院選では18歳から投票が可能になるだけに、18歳は少年扱いをする必要がないのではとの意見も。掲示板では「選挙で投票ができるのに、行動に責任を持てないってことはないだろ」、「選挙権ある18歳はこどもじゃない」という意見も見られました。

[工藤ひろえ]