エンタメ

「神奈川新聞花火大会」が31回目の今年を最後に当分休止~一部の観覧者が道路に座り込んだり、立ち入り禁止区域に侵入するなど安全管理に課題

[2016/8/24 17:49]

 2016年8月2日(火)に無事終了した「神奈川新聞花火大会」ですが、主催の神奈川新聞が24日に、安全上の問題から当分の間は休止すると発表しました。

 「神奈川新聞花火大会」は、1986年に横浜市中区の山下公園前面海上を舞台に始まり、1995年の第10回大会から、同市西区のみなとみらい地区に舞台を移し、2016年8月2日が31回目でしたが、今後の実施が安全上の問題から難しくなり、「これまでの方式による花火大会の開催は当分の間、お休みをさせていただきます」とのことです。

 日本の人気の花火大会の一つに数えられるまでに成長した「神奈川新聞花火大会」は、首都圏の花火大会がとりやめになったり、規模が縮小されたりしたことも一因で、観覧者数が増加傾向にありました。

 また、メイン会場のみなとみらい・新港地区の開発が進み、住民の増加、空き地の大幅な減少が進み、安全に花火を観覧できる場所の確保ができなくなり、道路に観覧者があふれ、座り込み観覧が発生。この地域で生活する住民の緊急を要する事案が発生した時に、警察・消防などが迅速に対応できない状態を招いていたとのこと。

 この数年来、安全対策を共に検討する神奈川県警察をはじめとする安全対策に努める各所から大きな問題として指摘され、今回の第31回大会は、昨年9月から、神奈川県警察や施設管理者と「安全・安心」を第一の目的に観覧エリア確保について協議を重ね「流入抑制」などの安全対策を実施。

 みなとみらい駅、桜木町駅など混雑が予想される駅に集中しないよう、周辺駅からの行き帰りを促し、観覧エリアとして山下公園への誘導も呼びかけたことで、花火大会当日は、大きな事故も起きず、無事に終了できたとのこと。

 しかし、一部の観覧者が道路に座り込んだり立ち入り禁止区域に侵入したりするなど、安全管理上の課題を残し、関係各所からの声を参考に検討した結果、また、今後みなとみらい地区の開発がますます進むことから、今後の開催を休止する判断に至ったと説明しています。

[古川 敦]