田町と品川の間、港区にできる「品川新駅(仮称)」の概要が公開。~折り紙をモチーフとした大屋根。車両基地を見渡せるイベントスペースも
東日本旅客鉄道(jR東日本)が6日、品川開発プロジェクトにおける「品川新駅(仮称)」の概要を発表しました。施工は品川新駅(仮称)新設工事共同企業体(大林組・鉄建建設)で、9月に準備工事に着手する予定です。
品川開発プロジェクトでは、「グローバル ゲートウェイ 品川」として世界中から先進的な企業と人材が集い、多様な交流から新たなビジネス・文化が生まれるまちづくりの実現に向けた検討を進めており、今回、新しい街の中核となる新駅について概要が公開されました。
設置位置はJR品川車両基地跡地内(田町駅から約1.3km、品川駅から約0.9km付近)で、線路別島式2面4線(山手線、京浜東北線)、品川駅や田町駅と同じ港区になります。2020年春に暫定開業を予定し、本開業は2024年頃の街びらき時が予定されています。なお、、駅正面付近でイベントなどの開催も検討しているとのこと。
計画では、地上3階、地下2階建てで建物高さ約30m、鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造。総床面積7,600平方メートルで、駅施設(駅事務室・旅客便所等)が2,400平方メールと、店舗(2階、3階)が500平方メールとなっています。
デザインは、渋谷駅、宝積寺駅などの実績を踏まえ、隈研吾氏をデザインアーキテクトとして、2014年から設計作業を進め、国際交流拠点となる街の中核施設として象徴的なデザインを目指し、日本の伝統的な折り紙をモチーフとした大屋根を、障子をイメージして「膜」や「木」などの素材を活用し、「和」を感じる駅を創るとしています。また、膜屋根をランダムに折ることで、駅の多様な表情を生み出すとのこと。
さらに、駅舎東西面に大きなガラス面を設けるとともに、コンコース階に約1,000平方メートルの大きな吹き抜けを設けることで、「えき」から「まち」、「まち」から「えき」を見通せることで一体的な空間を創り、駅と街を一体的な空間とする「エキマチ一体」を実現。また、「えき」と「まち」が連携したイベントを行なうために、駅の改札内に約300平方メートルのスペースを創るとしています。
周辺地域からの利用も考慮し、南北2箇所に改札口を設け、各ホームにエレベーターを2基設置し、うち1基を24人乗りに、南北のトイレに多機能トイレが2箇所ずつ(計4箇所)設けられます。太陽光パネルと小型風力発電機を設置するほか、夏場のコンコース内の温度上昇を抑えるため、屋根に日射反射率の高い膜材を使用し、放射熱による屋根下の体感温度を低下させ、大屋根の消雪用散水機能を活用し、打水効果で膜表面の温度を低下させるなど省エネ設計となっています。