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クラスドソーシング大手のランサーズが品質向上委員会を設置、仕事依頼ガイドラインを公開~医療など資格が必要な仕事の依頼はNG、パクリ容認もNG

[2016/12/6 16:38]

 クラウドソーシング大手のランサーズは12月5日、代表取締役社長の秋好氏を長とする「ランサーズ品質向上委員会」を設置したと発表しました。

 DeNAの医療情報サイト「WELQ」の炎上に端を発し、クラウドソーシングを利用して大量の記事を作成・掲載するキュレーションメディアが次々に一時閉鎖や記事削除対応を行うなど影響が広がっています。

 ランサーズは記事ライティング分野では、クラウドワークスと並ぶ大手。クラウドソーシング利用に関する品質管理の指摘を受け、品質向上の取り組み強化の一環として「ランサーズ品質向上委員会」を設置したとのこと。

 「ランサーズ品質向上委員会」の取り組み内容として、以下の3つを挙げています。

 (1)クライアントの仕事依頼ガイドラインの設置
 (2)上記ガイドライン遵守のための依頼モニタリング体制の強化
 (3)クライアントおよびライター向け相談窓口の整備設置

 (1)の仕事依頼ガイドラインについては、「ランサーズ品質向上委員会」設置のプレスリリースと同時に公開されました。

ランサーズは品質向上の取り組みのひとつとして、仕事依頼ガイドラインを公開

 仕事依頼ガイドラインでは、「医療・弁護・法的文書作成・旅行代理など、許認可・登録・届出等が必要となる資格・スキルが必要なお仕事は依頼できません」と明記。

 記事作成についても、以下のような記事は依頼できないとしています。

・病気の対処方法に関する記事作成のお仕事で、提案資格に「特定の情報を調べ、それをまとめ記事などにできる方」と記載されている
・薬の効用に関するコンテンツ制作だが、提案資格に薬剤師指定と記載なく、監修者に薬剤師がついていることも明示していない仕事

 また、第三者の知的財産権を侵害する、もしくは助長するような表記がある仕事もNG。

 第三者の知的財産権侵害を意図して回避しようとする仕事や、引用の必要がある場合には著作権法で規定する引用の範囲を尊守するという表記のない仕事についても受けられないとしています。

 そのほか、ステルスマーケティングや人材募集の仕事も受諾しないとのこと。

 知的財産権侵害やステマ仕事など、ランサーズでは以前からNG案件だった項目も含まれており、今回、改めてルールを見直し、外部に向かって明示した形になります。

[工藤ひろえ]