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あの関の沢橋梁も開通! SLやトーマス号で知られる大井川鐵道の井川線が3/11(土)に全線開通~2014年の土砂崩れから922日ぶり

[2017/1/11 16:16]

 大井川鐵道井川線は、2014年9月2日に閑蔵駅付近で起こった土砂崩れから、千頭~接岨峡温泉の折り返し運転をしていましたが、今年3月11日(土)から全線開通すると発表しました。

大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)が3月11日、922日ぶりに全線開通!

 南アルプスあぷとラインの愛称で知られる、大井川鐵道井川線の部分運休日数は合計921日。実に922日ぶりの全線開通ということになります。

 現在の折り返し区間は千頭~接岨峡温泉で15km。千頭~井川までの全線開通後は25.5kmで、これまで走行できなかった半分以上の区間が開通します。

 3月11日から開通する区間には、大井川鐵道といえば真っ先に浮かぶ「関の沢橋梁」も含まれます。急峻な谷にかけられた橋からの景色が車窓から再び眺められることになります。

 大井川鐵道は、日本で唯一、年間300日以上SLを営業運転している鉄道会社。SLファンには有名ですが、日本唯一のアプト式電車を運行している鉄道会社でもあり、今回開通した大井川上流部・奥大井の渓谷はアプト式電車が運行しています。


3月11日から開通する区間の見どころ

【関の沢橋梁】
 駅間は尾盛~閑蔵。川根本町と静岡市との境界、関の沢川にかかる橋梁。長さは114mですが、河床からの高さが70.8mで鉄道橋としては日本一。左右の車窓をゆっくり見られるよう、井川行きのみ徐行運転してくれます。

関の沢橋梁

【尾盛駅】
 人里離れたところに存在し、鉄道線だけでしか到達できない駅を「秘境駅」と呼びますが、尾盛駅は秘境駅ランキングの上位常連。尾盛駅には井川線を使うしか到達方法がなく、以前はダム・発電所建設の作業員宿舎があったとも言われていますが、今は駅周辺に人家はないとのこと。所在地は川根本町犬間で、2013年度の1日平均乗降人員は1名。

尾盛駅

【閑蔵駅~井川駅】
 駅間は大井川鐵道で一番長く、5kmあります。井川に向かって進行方向右側、眼下に大井川のV字渓谷があり「東海の黒部」という人もいるほどで、車窓からの絶景が楽しめます。

【井川駅】
 終着駅の井川は、静岡県の普通鉄道の中で最も海抜の高い駅(686m)。夏季は、金谷方面は暑い日でも井川まで行くとひんやり涼を感じることができます。

井川駅

現在の運転区間にも見どころがたくさん!

【アプト式鉄道(川根本町)】
 日本の普通鉄道の中で最急勾配区間(90/1000)となるアプトいちしろ~長島ダム(1.5km)に採用された日本唯一の運転方式。2本のレールの間にあるラックレール(歯型レール)とアプト式電気機関車に装備されたラックホイール(歯車)とを噛み合わせながら急勾配を安全確実に運転します。

【奥大井湖上駅(川根本町)】

 接岨湖(長島ダム湖)に突き出した半島状の場所にある駅。俯瞰すると駅がダム湖にぽっかり浮かんでいるように見えます。近年は、“恋人たちの聖地”としても注目されているとか。

新緑が楽しめる春の井川線
井川線沿線には、桜の名所も。いつまでも記憶に残るお花見に!


全線開通記念イベントを開催!

 全線開通を記念して、3月11日(土)からSLフェスタなどが開催されます。

 3月11日(土)、12日(日)の2日間は「SLフェスタin千頭」を開催。井川線全線開通に合わせ、千頭駅をメイン会場として開催予定。イベント詳細は追って発表される予定です。

 また、3月18日(土)には、地元自治体などとともに「全線開通記念式典」を開催。こちらも詳細は追って発表されます。

[工藤ひろえ]