「父は殺された」金正男氏の息子・ハンソル氏を乗る人物の動画、YouTubeで公開～顔も声もそっくりでどう見ても本人。公開したのは「チョムイル民間防衛」

　2月13日、マレーシアの空港で殺害された金正日氏の長男、金正男氏。遺体の引き渡しや捜査の中止を求める北朝鮮と、事実を明らかにするため捜査を続行するマレーシアの間で、互いの大使を国外退去処分にするなど、事件をめぐって両国の関係が急速に悪化しています。

　マレーシア側は「遺体は遺族に渡す」方針を明言していて、事件当初から金正男氏の長男、キム・ハンソル（金漢率）氏の動向が話題に。

　そんな中、キム・ハンソル氏を名乗る人物の動画がYouTubeに投稿されて話題になっています。

　40秒の短い動画で、キム・ハンソル氏と見られる人物は英語で「私の名前はキム・ハンソル。数日前に私の父は殺されました」と語り、カメラに向かって北朝鮮のパスポートを見せています（パスポートの情報は黒塗りで隠されています）。また、「私は母や妹といます」と、金正男氏の遺族が一緒にいることを明らかにしました。

　動画の人物は、これまで公開されているキム・ハンソル氏のインタビューや写真と比べてみて、顔や声、体つき、話し方もそっくり。「どう見ても本人」という印象です。動画では「父は殺された」と語っていますが、取り乱した様子はなく、英語で淡々と話しています。

　また動画では、ハンソル氏ら遺族の保護に関わったと思われる人の名を上げて感謝していますが、映像では口元が黒く塗りつぶされ、音声も消されています。口元が黒塗りで消されているのは、読唇術によって名前が知られることを防ぐためと思われます。

　動画を公開したのは、「チョルリマ民間防衛（Cheollima Civil Defense）」という団体。この団体のホームページでYouTubeにアップロードした動画が公開され、あわせて団体が金正男氏の遺族の求めに応じて緊急保護したという声明文が公開されています。