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なぜ、佐々木信也キャスターは降板したのか? 関係者の証言から綴るドキュメント「オレたちのプロ野球ニュース 野球報道に革命を起こした者たち」が刊行

[2017/3/13 10:41]

 「TVガイド」や「TV Bros.」を発行する東京ニュース通信社が、1976年にスタートし2001年に惜しまれつつ終了したフジテレビ系の「プロ野球ニュース」の興亡を描くドキュメント本「オレたちのプロ野球ニュース 野球報道に革命を起こした者たち」(長谷川晶一さん著)を、2017年3月11日(土)に刊行しました。 四六判ソフトカバーで、価格は2,000円(税別)。

 1976年4月1日、その後の野球報道に革命を起こすことになる番組が、フジテレビでスタート。当時の平日23時台は、お色気路線を前面に出した「11PM」(日本テレビ系)の牙城。その日本テレビの解説者だった元・プロ野球選手の佐々木信也さんをメーンキャスターに起用した「プロ野球ニュース」は、打倒「11PM」の切り札として期待されていました。

 それまで巨人戦報道一辺倒だった他局のスポーツニュースとは一線を画し、全12球団を平等に扱うことをモットーに制作し、瞬く間にプロ野球ファンの支持を得ることに成功。シーズン中はもちろん、オフの企画にも力を注ぎ、「わがふるさと」を始め、数々の名企画を生み出します。順風満帆に船出した同番組は、放送開始12年後の88年に、これまでの番組の最大の貢献者・佐々木信也がキャスターが降板する転換期を迎えます。

 著者の長谷川晶一さんは「プロ野球ニュース」の出演者・スタッフ30名近くに取材を敢行。ブラウン管には映らない、番組の背景の部分を丹念に描写していきます。「なぜ、この番組はプロ野球界に受け入れられたのか?」、「なぜ、佐々木信也は降板したのか?」、「なぜ、地上波から撤退していったのか?」。単に「プロ野球ニュース」の番組史に留まらず、昭和から平成にかけての激動期のテレビマンの姿も同時に描いていきます。

【目次】
第一章 伝説の始まり----76年4月1日、放送開始
第二章 シーズンオフも攻めろ!----90日間の過酷な挑戦
第三章 プロ野球報道革命----裏方たちの奮闘
第四章 FNSグループの底力----系列局の誇り、名物アナたちの流儀
第五章 怪物・みのもんたの躍動----「珍プレー・好プレー」ブレイク
第六章 突然のキャスター交代劇----佐々木信也、降板
第七章 新たなる旅立ち----新キャスターたちの奮闘
第八章 放送5000回達成----番組14年目の総決算
第九章 地上波撤退、突然の終焉----きっかけは日韓ワールドカップ
第十章 それぞれの、それから----あれから15年

[古川 敦]