ブックレビューサイト「ブクログ」が第5回ブクログ大賞を発表! 星野源さんのエッセイ「いのちの車窓から」、小説「蜜蜂と遠雷」、マンガ「夜廻り猫」などが受賞
ブックレビューコミュニティサイト「ブクログ」は、読書好きのユーザーの投票で本当に面白い本を決める「第5回ブクログ大賞」の受賞作を発表しました。
エッセイ・ドキュメンタリー部門大賞は星野源さんのエッセイ「いのちの車窓から」に決定。
小説部門では恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」、ビジネス書部門では中島聡さんの「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」が大賞を受賞。
マンガ部門では、深谷かほるさんがTwitterで公開したマンガがコミック化された「夜廻り猫」、人文書部門では東浩紀さんの「ゲンロン0 観光客の哲学」が受賞しました。
「ブクログ」は、スマホやタブレットならアプリで、PCならWebで、書籍などの読書管理ができるブックレビューコミュニティサイト。2017年7月現在でレビュー数は797万超、100万を超えるユーザーが利用しています。
「ブクログ大賞」では「小説」「マンガ」「ビジネス書」「エッセイ・ノンフィクション」「人文書」「海外小説」の6部門を設けています。
各部門の大賞受賞作は、ブクログユーザーの登録数・評価数をもとに選出したノミネート作品から、一般投票により決定。
ノミネート作以外の作品を支持するユーザーの声も反映するため、全ジャンルの書籍から好きな作品を自由に投票できる「フリー投票部門」も設け、受賞作品を決定しました。
ブクログ大賞受賞作品&受賞者コメント
受賞作品と合わせて、受賞者のコメントが発表されていますので以下でご紹介します。
エッセイ・ノンフィクション部門「いのちの車窓から」著者:星野源(KADOKAWA)
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エッセイ・ノンフィクション部門ノミネート作品一覧 [URL]
<星野源さんコメント>
自身の著書で賞をいただくのは初めてです。十代の頃、様々なエッセイを読んで文筆家に憧れ、苦手意識のあった文章を細々と続けてきましたが、書くこともすっかり楽しくなった今、一番無理なく自然に書くことができたこの作品で、このような賞をいただけて本当に嬉しいです。夜の中、一人で机に向かった時間は無駄ではなかったと思えます。投票してくださった皆さん。本当にありがとうございました。
小説部門:「蜜蜂と遠雷」著者:恩田陸(幻冬舎)
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小説部門ノミネート作品一覧 [URL]
<恩田陸さんコメント>
本好きかつ本読みの皆さまに選んでいただけてたいへん光栄です!
これからも良きブックレビュアー生活を送られますように!
私もいっぱい読んで頑張ります。
マンガ部門:「夜廻り猫」著者:深谷かほる(講談社)
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マンガ部門ノミネート作品一覧 [URL]
<深谷かほるさんコメント>
ブクログ様の感想文は以前から拝読しておりました。勉強になり、励みにもさせていただいています。それだけで、十分有り難いと思っています。
「夜廻り猫」は、依頼もないのに、ただ描きたくて始めた漫画です。五十歳をいくつも過ぎ、残り時間が少な目に感じられた頃に。本当は誰かと話したかったこと、言わないまま終わりそうなことを、描いてみようと思いました。毎夜、一枚の葉っぱを拾い、何かを書きつけて そっと道端に置きました。誰か拾ってくれる人がいますようにと思いながら、ツイッターという道端に。風に飛ばされて見えなくなる葉っぱの手紙を、受け取ってくれる人がいたのですね。
ブクログ大賞コミック部門賞、とても、嬉しいです。ありがとうございます。
ビジネス書部門:なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」著者:中島聡(文響社)
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ビジネス書部門ノミネート作品一覧 [URL]
<中島聡さんコメント>
ビジネス部門賞、ありがとうございます! 読者の方々の感想は、可能な限り目を通すようにしていますが、その中でも、「この本は時間管理術の本であると同時に著者の仕事哲学が込められた本だ」「集中しようと思わずとも集中、没頭してしまう。それが天職である。そんな仕事を選べるように努力しようと思った」などの感想を読むと、つくづく書いてよかった、と思います。
充実した人生を送るためには、時間をどう使うべきか、どんな職を選び、何を重視し、どんな姿勢で働くべきか、本書がそれを考えるキッカケになれば幸いです。
人文書部門:「ゲンロン0 観光客の哲学」著者:東浩紀(株式会社ゲンロン)
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<東浩紀さんコメント>
「ゲンロン0 観光客の哲学」のブクログ大賞受賞、とても光栄に思います。ありがとうございます。投票してくださった読者のみなさんに、深く感謝いたします。
ぼくは、1993年に批評家としてデビューしました。この本には、それからの四半世紀の思考のすべてが詰まっています。フランス思想もサブカル評論もネット論もすべてが入っています。そしてまた、現代世界の問題に真正面から取り組んでいます。書いているあいだは、あまりにも壮大な問題設定と議論に、こんなのだれが読むのだろうとも思っていました。最近はそういう「大きな物語」は好まれないからです。だから、結果的に多くのみなさんに評価していただけたことに、とても力づけられています。これからもがんばります。
もうひとつ。この本はふつうの本ではありません。ぼくがみずから出版社を作って出版した本です。いわば「自費出版」です。いろいろ考えがあってそのような出版形態を選んだのですが、他方、その形式だけでまともに扱われず内容も読まれないのではないかと不安もありました。ふたを開ければ、各紙誌で書評も出て、今回このような大賞もいただくことができました。この事実にも、またたいへん力づけられています。「ゲンロン0」は、「観光客の哲学」という哲学の書物であると同時に、また「ゲンロン」という出版社の出発点(ゼロ)を示す書物でもあります。ゲンロンのこれからの活動にも注目していただければ、と思います。
あらためまして、ありがとうございました。
海外小説部門:「アウシュヴィッツの図書係」著者:アントニオ・G・イトゥルベ/翻訳:小原京子(集英社)
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海外小説部門ノミネート作品一覧 [URL]
<著者:アントニオ・G・イトゥルベさんコメント>
「アウシュヴィッツ絶滅収容所にあった小さな図書館のことを知ったとき、私はひどく驚き、こんなことを可能にした人々への称賛を、皆と分かち合いたいという気持ちに突き動かされました。彼らのうち、31号棟にいたひとりが、10代の図書係だったディタ・クラウスです(彼女は現在88歳で、いまも彼女とは連絡をとりあっています。これは私の平凡な人生の中でもとくに素晴らしいことです)。
この本は彼らへの賛辞であり、読書そのものへの賛辞でもあります。日本の皆さんがこの物語に関心を抱き、愛してくださることに、本当に感動しています。責任、共感、それぞれの多様な人生への想像力…こうした人間の本質的な面において、私たちの間に国境や言語の壁は存在しないということが、またしても証明されたのです。
ブクログ大賞に対し、感謝と喜びの意を表します。読者による賞というのは、私にとって非常に価値のあることです。誠にありがとうございました。
<翻訳者:小原京子さんコメント>
私が翻訳した「アウシュヴィッツの図書係」が、読者投票によって、ブクログ大賞の海外小説部門賞を受賞したことを、心から嬉しく思います。本の魔法に助けられて、理不尽で悲惨なホロコーストを生き抜いた少女ディタの物語が、時空を飛び越えて日本まで届き、今はイスラエルの海辺の街で暮らすディタ・クラウスさんもきっと喜んでいると思います。2017年夏 マドリードより
フリー部門:「ねないこはわたし」著者:せなけいこ(文藝春秋)
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<せなけいこさんコメント>
わたしの本を認めてもらって、思わぬ賞をいただけるなんて、うれしいことね。わたしが大好きなおばけも喜ぶし、おばけを大好きなこどもたちも喜ぶわ。わたしはもう目や耳の調子が悪くてインターネットは見ないので、インターネットのことはよくわからないけれど、ブクログを読んでいるみなさん、これからも本を楽しんでくださいね。