ドタキャンばかりしている人は“ブラックリスト”入りで予約不可に!? 飲食店のドタキャン被害を予防する、全国の個人飲食店経営者による無料の自衛サービス「ドタキャン防止システム」提供開始
全国の個人飲食店オーナーが集まって運営する「全日本飲食店協会」は、2月19日(月)から、相次ぐ予約の無断キャンセル・ドタキャンによる被害を減らすための新しいサービス「ドタキャン防止システム」の提供を開始します。飲食店向けサービスで、利用料は永久無料。
「ドタキャン防止システム」を利用することで、予約時に電話番号で過去のドタキャン歴を照合し、事前予防に役立てることができるのが特徴となっています。協会役員による試験運用を行い、一般利用の受付を今回スタートするもの。
全日本飲食店協会では、これまでドタキャンについて飲食店は泣き寝入りを余儀なくされてきましたが、ドタキャンによって売上は減少し、食材費と人件費の支出は利益を圧迫すると、サービス開始の背景を説明。また、お金の問題だけではなく、選び抜いた食材を破棄しなければならない生産者への申し訳なさ、仕込みにかけた時間と労力の無駄など、“飲食業を愛する者にとって堪え難い状況”としています。
実際、Twitterなどでは電話だけで30人の宴会予約を入れた客に、連絡なしですっぽかされ携帯に電話しても出ない、といった“ドタキャン被害者”の飲食店の嘆きがよく話題になっています。
「ドタキャン防止システム」は、ドタキャンに長年悩まされてきた飲食店オーナー達のアイデアにより、開発が実現したとのこと。過去にドタキャンをされたことのある電話番号をデータベースに登録し、新規の団体予約の電話を受けた際、その場でデータベースに照合することができます。
いわば飲食店予約の“ブラックリスト”共有システムですが、ドタキャン防止システムのデータベースには「電話番号」「ドタキャン日時」「予約人数」のデータのみを登録するため、「個人情報保護法に抵触しない範囲」として弁護士事務所にも確認を取っているとのこと。
また、消費生活センターへも問い合わせたところ、電話番号以外の個人を特定する要素がないため個人情報保護法には抵触しないとの回答があったとしています。
電話番号を照合した際に店舗が確認できるのは、「ドタキャン歴の有無」「ドタキャン日時」「ドタキャン時の予約人数」「データ登録をした店舗の電話番号の一部」の4点のみ。
これらの情報を得ることで、あまりにドタキャン回数が多い相手は予約の断りを入れる、団体でのドタキャンが過去にあった場合は前金制での案内をする、同一店舗ばかりでドタキャンが相次いでいるなどの不自然な状況であれば、データの信憑性は低いと判断して対応するなど、判断と対応は店舗側に任されることになります。
全日本飲食店協会では、より信ぴょう性の高いデータベースを構築するためには、利用登録者による情報提供が不可欠と考え、月額利用料金を永久無料とし、できる限り多くの飲食店に協力を呼びかけていくとのこと。
気軽にドタキャンを繰り返した結果、空いている時間帯でも飲食店予約ができなくなってしまった、という時代になるかもしれませんね。