孤独死した部屋をミニチュアで再現する27歳女性遺品整理人の想いを初書籍化 「時が止まった部屋~遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし~」が刊行
孤独死、ごみ屋敷、残されたペットたち──。故人の部屋を片づけ、弔いつづける27歳の遺品整理人が、依頼現場をミニチュアで再現、死と向き合ってきたからこそ伝えたい想いを初書籍化した「時が止まった部屋~遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし~」が、原書房から2019年8月20日(火)に刊行されます。B6判144ページで、価格は1,400円(税込1,512円)。
19年の信頼と実績の「遺品整理クリーンサービス」の女性スタッフ 小島美羽さんが、故人の“最後の部屋”について著した書籍で、故人の息づかいをミニチュアで再現してきた著者ならではの視点と筆致で、社会問題化する「孤独死」に問題提起しています。実際に孤独死の現場で働き、最前線で清掃を行なっている著者ならではの本当の話が書かれており、「読み終わった後には心にガツンと響く内容」としています。
遺品整理クリーンサービスでは、これまで精巧なミニチュアで故人が住んでいた“最後の部屋”を再現。そうした中、3年前に小島美羽が製作した精巧なミニチュアが、SNSで17,000リツイートを記録。大きな反響を呼んでいます。
「ミニチュア」による“最後の部屋”の再現は、これまでの遺品整理業界では一切なかったサービスで、“故人の意思の伝え方”でもあるとしています。
孤独死や、ごみ屋敷。社会問題化するいま、わたしたち一人ひとりにできることは何か。ミニチュアを通して静かに問う。
「時が止まった部屋~遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし~」では、ミニチュアの写真を混ぜながら孤独死を伝えていく内容になっています。
父親の突然死がきっかけで、若くして遺品整理人になった小島美羽さんは、業界に入る際には「やってみて、やっぱり辞めるということでは、『故人に失礼にあたる』と思い、他の業者さんが出した特殊清掃の本を読んで自問自答を繰り返し、この会社に飛び込んだ」そうです。
孤独死した部屋をミニチュアで再現することはプライバシーにも考慮して単体の現場だけではなく様々な光景にあった特徴をピックアップして作り上げているそうで、あまりにも、精巧に作り上げられていて「グロい」「呪われるんじゃないか」などと紹介されこともあるとのこと。
しかし、「グロいという現実が世の中で起きていることは事実なのです。そして、日本を築き上げてきた先人にグロいという言葉はいかがなものか、怨念があって孤独死したわけではないのに片付けて清掃して呪われる人はいるのか、疑問に感じてしまうこともある」そうです。
また、「発見まで期間が長くなってしまった場合には腐敗が進み、本人や親族特定までDNA鑑定でさらに何ヶ月も遺体と対面することができなくなります。そうならないためにも、発見はなるべく早く、腐敗してDNA鑑定をせずに親族に戻す方法としては社会全体で人への変化を察知して通報できることを願っています。第一発見者となると、警察に根ほり葉ほり聴取されることがあると思いますが、悪いことをして通報しているわけではないので孤独死を発見した場合には早急に通報するようにしてほしい」と呼びかけています。
【目次】
はじめに(日本の孤独死/わたしがミニチュアを作る理由)
第1章 音信不通の父親
第2章 ごみ屋敷それぞれの事情
【column1 】大家さんたちの苦悩
第3章 家のなかの密室(トイレでの孤独死/お風呂での孤独死)
第4章 遺品の多い部屋
【column2 】忘れられない遺品
第5章 壁に残された「ゴメン」
第6章 残されたペットたち
第7章 終の棲家
おわりに
小島美羽(こじま・みゆ)さんのプロフィール>
1992年8月17日埼玉県生まれ。2014年より「遺品整理クリーンサービス」(株式会社ToDo-Company)に所属し、遺品整理やごみ屋敷の清掃、孤独死の特殊清掃に従事する。孤独死の現場を再現したミニチュアを2015年から独学で創作開始し、国内外のメディアやSNSで話題となる。