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日本初、処方箋なしで買える零売薬局「セルフケア薬局」オープン! 3年以内に都内で100店舗以上のチェーン展開を目指す~保険適応よりトータルでは安くなることも

[2019/9/5 22:23]

 SD Cが、処方箋なしで医薬品が買える零売薬局「セルフケア薬局 雷門店」を2019年8月31日にオープン。日本で初めてとなる零売薬局チェーン店の展開を実現するとしています。

 零売薬局とは、病院などで使用される医療用医薬品約15,000種類の内、処方箋なしでの販売が認められた医薬品約7,300種類を、薬剤師のカウンセリングのもと販売する薬局のこと。

 市販薬のある軽度な症状に対する医薬品も保険で安く買えることや、医療用医薬品に対する安心感などを背景に、日経新聞一面に「市販薬のある医療用医薬品の処方が最新の16年度データで5,469億円もあった」(2019年7月12日)といった記事が掲載されたほか、2019年8月22日には、健康保険組合連合会が、医療機関で処方される市販薬と同じ成分の花粉症治療薬について、医療保険の適用から除外し、全額自己負担にすべきだとの提言を取りまとめるなど、保険財政の悪化が危惧されています。

 SD Cでは、このような社会課題に対し、全国に零売薬局をチェーン展開することで、5,469億円以上の医療費削減を目指すとしています。また利用者にとっても、やむを得ず病院で受診できない際の新たな医薬品購入の選択肢として、健康増進や利便性向上を目指し、薬剤師と相談しながらセルフメディケーションが行える社会を創造していくとのこと。

 セルフケア薬局での販売は保険適応外のため全額自己負担となりますが、病院で診察を受けて処方箋を発行してもらうには、初診料(または再診料)や、処方箋料などが必要となり、処方箋を持って薬局で薬を出してもらうには調剤料や、調剤基本料、薬学管理料などが必要となります。そのため、薬代のみのセルフケア薬局の方が結果的に安くなる場合があります。

 「零売」という医薬品販売の方法は、以前より制度としては存在していましたが、管理の煩雑さや副作用の発生時の責任の所在などの問題があり、一般的な薬局では行なわれておらず、利用者にも認知されていませんでした。それに対し、SD Cは2016年より実証試験を開始し、管理のシステム化や薬剤師の教育、業務手順の徹底、マニュアル構築、認知向上のための啓蒙を行なうことにより、管轄保健所との協議の上、これらの問題を解決し、医薬品の販売を可能にしたとしています。これまでの延べ利用者数8,000人を超えているとのこと。

 2019年8月31日、2店舗目となる「セルフケア薬局 雷門店」のオープンを皮切りに、3年以内に都内で100店舗以上のチェーン展開、そして全国チェーン展開を目指していくとしています。

「セルフケア薬局 池袋店」店舗概要

所在地 :東京都豊島区東池袋1-45-5 A-1ビル103
定休日 :月曜、火曜、祝日
営業時間:11:00~13:00、14:00~20:00

「セルフケア薬局 雷門店」店舗概要

所在地 :東京都台東区雷門1-9-2 山口ビル1階
定休日 :月曜、火曜、祝日
営業時間:11:00~13:00、14:00~20:00

[古川 敦]