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グローバルダイニングが「休業・酒類販売停止命令」に従わず通常営業を続けると表明 「お客様のため、従業員を守るため、お取引先を守るため、営業を続ける」~「東京都は現在緊急事態ではない」

[2021/5/19 12:25]

 グローバルダイニングが18日、東京都の「休業命令」・「時短営業と酒類販売停止の命令」には従わずに、通常営業を続けると表明しました。

 2021年5月18日(火)に、小池東京都知事より新型インフルエンザ特措法45条による「休業命令」・「時短営業と酒類販売停止の命令」が同社に届き、東京都が命令を出した33店舗のうち、同社のレストランは23店舗とのことです。同社では、「当社のレストランを必要とするお客様のため、従業員を守るため、お取引先を守るため、営業を続けさせていただきます」としています。

 同社では従来「要請は任意に選択できるから従わない、命令は法的な義務だから従う」ということを表明していましたが、今回の命令に従わない理由について「東京都は現在緊急事態ではない」、「新型インフル特措法の違憲性と今回の命令による莫大な経済的損失」、「弁明書に対する対応」、「命令に従っても補償はない」と4つの理由を挙げて、「『違法命令』に従うことで、従業員や取引先を苦しめていいのか? 私たちはそうは思いません。このようにして私たちは、これまで通り営業を継続することを選択しました」と説明。

 今回の「命令」に対しても、その「過料」に対しても徹底的に争うとしています。

【全文】通常営業継続のお知らせ

 本日5月18日に小池東京都知事より新型インフルエンザ特措法45条による「休業命令」・「時短営業と酒類販売停止の命令」が弊社に発令されました。しかし弊社はそれに従わずに通常営業を続ける所存です。

 これまで私たちは「要請は任意に選択できるから従わない、命令は法的な義務だから従う」ということを表明してきました。「法律には従う」という姿勢を支持してくださった方は、この方針転換に疑問を抱くのは当然です。その疑問にお答えいたします。

1.東京都は現在緊急事態ではない
 政府は緊急事態宣言の指標を作成しています。しかし今回の緊急事態宣言発出時、東京都はその指標には達していません。東京都は「総合的にステージ4ではない」のに「予防的な措置」で宣言を出したと西村大臣自身が認めています。
 緊急事態下になく、予防的措置の状態で出た私権制限は許されません。

2.新型インフル特措法の違憲性と今回の命令による莫大な経済的損失
 私たちは、前回の命令を受け、従った緊急事態宣言の終了後に、特措法及びこれに基づく命令が違憲・違法であると考え、東京地方裁判所に提訴し、現在も争いが続いております。したがって、今回の命令は違憲・違法で無効な命令であるとの前提から、営業の継続を判断いたしました。
 今回の命令は、営業時間短縮だけではなく酒類提供禁止か休業かを迫るものです。
 前回の命令と比べてもそれが与える損害は莫大なものです。

3.弁明書に対する対応
 今回の命令が出る前、東京都に対し弁明書を提出し、その中で都に対する私たちの質問に対し、真摯に回答するよう要求をしました。しかし都は、その質問に対し一切回答をしてきておりません。それどころか、弊社が「正当な理由」として弁明した内容について、何をもって「正当な理由」としないのかの説明もありません。

4.命令に従っても補償はない
 これは前回も同様でしたが、東京都の協力金は要請に対し一定期間全て応じていなければ出ません。前回命令時は、緊急事態宣言終了が決まっていたので、4日間の時短営業で済みましたが、その際の協力金、補償金は一切出ていません。
 今回の命令は少なくとも5月31日まで続き、更に再延長の可能性すらあります。補償の有無がわからない状態で、休業しろ、あるいは、酒類を提供できない時短営業を続けろと、いつまで言うのでしょう。

 特に1.と2.は前回命令の際の状況と比べて、非常に今回大きく変わりました。このような状況で出された命令に対し、前回同様従うべきなのか? 「違法命令」に従うことで、従業員や取引先を苦しめていいのか?

 私たちはそうは思いません。

 このようにして私たちは、これまで通り営業を継続することを選択しました。命令に違反することで、おそらく東京都は裁判所に過料手続きを取るでしょう。しかし私たちは今回の「命令」に対しても、その「過料」に対しても徹底的に争います。

 「過料」が行政罰で、交通違反と同じ程度の、大したことのない罰則だから争うのではありません。

 弊社レストランを必要とするお客様のため、従業員を守るため、お取引先を守るため、営業を続けさせていただきます。皆様には、どうぞご理解いただきますようお願いいたします。

 2021年5月18日
 代表取締役社長 長谷川 耕造

[古川 敦]