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トンガの海底火山の噴火を気象衛星「ひまわり8号」が捉えた 噴煙高度は約52,000フィート(約16,000メートル)

[2022/1/16 20:50]

 南太平洋のトンガ諸島の海底火山「フンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山」が15日13時ごろ(日本時間)に大規模に噴火している様子を、日本の気象衛星「ひまわり8号」が撮影した画像を気象庁が公開しています。

2022年1月15日13時30分(日本時間) トゥルーカラー再現画像
2022年1月15日14時00分(日本時間) トゥルーカラー再現画像
2022年1月15日14時30分(日本時間) トゥルーカラー再現画像
2022年1月15日15時00分(日本時間) トゥルーカラー再現画像

 今回の噴火で、噴煙高度は約52,000フィート(約16,000メートル)に達したとのことです。

(1) トゥルーカラー再現画像の説明
トゥルーカラー再現画像は、ひまわり8号・9号の可視3バンド(バンド1、2、3)、近赤外1バンド(バンド4)及び赤外1バンド(バンド13)を利用し、人間の目で見たような色を再現した衛星画像です。本画像は、衛星によって観測された画像を人間の目で見たように再現する手法(参考文献[1])によって作成されています。この色の再現過程において緑色を調節するために、Millerらによる手法(参考文献[2])の応用として、バンド2、3、4が使用されています。また、画像をより鮮明にするために、大気分子により太陽光が散乱される影響を除去するための手法(レイリー散乱補正)(参考文献[2])が利用されています。

(2) 謝辞
トゥルーカラー再現画像は、気象庁気象衛星センターと米国海洋大気庁衛星部門GOES-Rアルゴリズムワーキンググループ画像チーム(NOAA/NESDIS/STAR GOES-R Algorithm Working Group imagery team)との協力により開発されました。また、レイリー散乱補正のためのソフトウェアは、NOAA/NESDISとコロラド州立大学との共同研究施設(Cooperative Institute for Research in the Atmosphere: CIRA)から気象庁気象衛星センターに提供されました。関係機関に感謝いたします。

(3) 参考文献
[1] Murata, H., K. Saitoh, Y. Sumida, 2018: True color imagery rendering for Himawari-8 with a color reproduction approach based on the CIE XYZ color system. J. Meteor. Soc. Japan., doi: 10.2151/jmsj.2018-049.

[2] Miller, S., T. Schmit, C. Seaman, D. Lindsey, M. Gunshor, R. Kohrs, Y. Sumida, and D. Hillger, 2016: A Sight for Sore Eyes - The Return of True Color to Geostationary Satellites. Bull. Amer. Meteor. Soc. doi: 10.1175/BAMS-D-15-00154.1

[古川 敦]