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野沢雅子や銀河万丈のAI音声が英語や中国語を話す! 青二とCoeFontがAI活用パートナーシップを締結~「演技の領域に関わるアニメ、吹き替えなどにはサービス提供しない」。野沢雅子のAI音声も公開

[2024/10/7 18:27]

 青二プロダクションとCoeFontが7日、AI音声技術を活用したグローバル戦略を展開するためのパートナーシップを締結したと発表しました。

 CoeFontのAI音声技術で、青二プロダクションに所属する声優の魅力的な音声データを、英語や中国語をはじめとした多言語化への対応を行ない、多言語化対応をした高品質なAI音声を、主に音声アシスタント(Amazon Alexa、Google アシスタントなど)、ロボット・音声ナビゲーション搭載製品(Pepper、医療機器など)への提供・提案を進めていくとのことです。

 ただし、声優の「演技」の領域に関わる、アニメーション、外国語映画の吹き替えなどにはサービスを提供せず、声の「演技」領域を除いた英語や中国語をはじめとした多言語のAI音声を作成し、AI音声技術と声優の活躍領域の棲み分けを行なうとしています。

青二プロダクションとCoeFont、AIを活用したグローバル戦略パートナーシップを締結

 第一弾では、青二プロダクションに所属する10名の声優が参画。日本語で収録した音声データを、英語をはじめとする多言語のAI音声に変換し提供される予定で、参画声優は、後日、順次公開するとのことです。同社では「グローバルな市場における音声認識技術の普及や社会福祉に貢献し、より多くのユーザーに、親しみのある声優の声でサービスを利用してもらうことを目指す」としています。

 昨今、生成AIへの注目度が高まる中、唯一無二の特徴を持っている声優たちとAIの向き合い方が問われています。日本国内外問わず、声優や俳優の音声を不正に学習させるという事件が発生し、ルールメイキングの必要性に迫られています。

 そのような背景のなか、声優業界を代表する青二プロダクションとAI音声プラットフォームサービスを提供するCoeFontは、AIの脅威にのみ注目するのではなく、演者の権利を適切に守りながら、魅力的な声を持つ人々の“声の可能性を高めるため”、第一歩を踏み出す必要があるという想いが一致し、協業を開始。ただし、「ここで明記させていただきたいのは、アニメーション、外国語映画の吹き替えなど『演技』の領域に関わるものにはサービスを提供しない、ということです。あくまで、『演技』領域を除いた多言語化したAI音声を作成し、AI音声技術と声優の活動領域の棲み分けを適切に行ないます」としています。

 まずは両社で、グローバル展開の領域において協業を開始。協業の取り組みを通して得られた知見を、両社の中で留めることなく、日本国内外におけるAI音声技術と演者との適切な関係性の構築に貢献していくとのことで、「これまで、日本の声優では実現できなかった、多言語を用いた海外市場の取り込みに、AIを活用することで、よりグローバルに声の可能性と価値の最大化を目指します」としています。

【AI音声の提供先例】
 主に下記のサービス、製品に多言語化されたAI音声を提供。

 ・AI / 音声アシスタント(Amazon Alexa、Google アシスタントなど)
 ・ロボット、音声ナビゲーション搭載製品(Pepper、医療機器など)

青二プロダクション 代表取締役社長 竹内健次郎氏のコメント

 まず大切な事は、AIは人間をサポートするための道具であり、我々の可能性を拡大するために利用される技術である、という考え方です。

 人である声優が命を吹き込むことにより、生きたキャラクターが生まれ続けていることを全ての方々に理解していただきたい。

 今回の取り組みはAI音声技術を敵としてではなく、その声の持つ魅力を世界中で応援してくださっている皆様へ届けるための技術と捉えております。あくまでも声優の演技の領域ではない声の持つ魅力を演者の権利をしっかりと守りながら活用していくことを目的に、この度株式会社CoeFontと協業していく決断をいたしました。

CoeFont 代表取締役 早川尚吾氏のコメント

 日本の声優の皆さんの声の魅力は、世界を見渡してもトップクラスであると考えています。そんな魅力的な声の可能性を、声の権利を守りながら拡大するお手伝いをできることとなり、大変興奮しています。AIだからこそできる多言語化の領域で、日本の魅力的な声を世界に広められれば嬉しいです。

[古川 敦]