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国立国会図書館で来館せずに複写物をPDFで入手可能に 楽譜の出版物、地図の出版物、写真集、画集、発行後1年以内の雑誌などは対象外

[2025/2/6 15:48]

 国立国会図書館が6日、遠隔複写サービスの複写物がPDFファイルで2025年2月20日から入手できるようになると発表しました。

 国立国会図書館では、従来から紙の複写物を郵送する「遠隔複写(郵送受取)」を実施していましたが、PDFファイルで複写物を提供する「遠隔複写(PDFダウンロード)」のサービスも開始されます。2021年の著作権法改正により、図書館などでは利用者の調査研究のため、著作物の一部分を利用者の求めに応じてインターネットなどにより送信すること(図書館等公衆送信サービス)が可能になったこと受け、権利者、出版社、図書館等の関係者による「図書館等公衆送信サービスに関する関係者協議会」が設置され、図書館等公衆送信サービスを実施するために必要な事項について協議が行なわれてきました。

 今回、同協議会での合意を踏まえ、新たな遠隔複写サービスとして、国立国会図書館サーチを通じてPDFファイルで複写物が提供されます。

サービス概要

 国立国会図書館の所蔵資料について、利用者が来館せずに複写を申し込み、複写物のPDFファイルを受け取ることができるサービス。申込みとPDFファイルのダウンロードは国立国会図書館サーチから行ないます。なお、著作権法の定めにより、複写可能な範囲は原則として著作物の一部分となります。

【対象となる資料】
 国立国会図書館の所蔵資料(デジタル化資料を含む。)を対象とします。ただし、楽譜の出版物、地図の出版物、写真集、画集、発行後1年以内の雑誌などは、著作権法その他の規定により対象外となります。

【利用対象者】
 本サービスを利用できるのは、国立国会図書館の個人の登録利用者(本登録)。簡易登録利用者及び図書館等の機関からの申込みはできません。なお、本サービスの申込みに際しては、利用規約に同意する必要があります。

【複写料金】
 次の(1)と(2)の合計額となります。

(1)複写物の作成に要する費用
 複写する資料の種類と複写方法によって料金が異なります。画像1コマ当たりの料金は以下のとおりです。
  ・スキャナで読み取る紙資料(図書、雑誌等) 83.6円(76円+税)
  ・撮影を行う紙資料(古典籍資料等) 176円(160円+税)
  ・マイクロフィルム、マイクロフィッシュ 116.6円(106円+税)
  ・国立国会図書館デジタルコレクション収録資料 62.7円(57円+税)

(2)著作権者に支払う補償金に相当する額
 補償金の詳細は、一般社団法人図書館等公衆送信補償金管理協会(SARLIB)ホームページの「図書館等公衆送信補償金規程」を参照のこと。

[古川 敦]