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マンガ家の赤松健さんとGYAOが無料電子コミックサービス「マンガ図書館Z」オープン~作家の機会を増やし、最大限の還元を

[2015/8/3 14:18]

 マンガ家の赤松健さんは、「絶版マンガ図書館」を今日8月3日から「マンガ図書館Z」にサービスリニューアルして提供を開始すると発表しました。スマホ、タブレット、PCで利用できます。

 赤松健さんは、株式会社GYAOと6月16日に「株式会社Jコミックテラス」を設立し、代表取締役会長に就任。Jコミックテラスは、赤松健さんが代表を務める株式会社Jコミが運営してきた「絶版マンガ図書館」をリニューアルし、「マンガ図書館Z」として新規オープンすることになったもの。

 新規スタートを切った「マンガ図書館Z」は、出版社が取り扱わないマンガ作品を電子書籍化して、広告付で無料配信することを主軸としたサービス。“出版社が取り扱わないマンガ作品”とは、絶版になって出版社に出版権が残っていないものなどを指します。



 「マンガ図書館Z」は新スタートを切るにあたって、プロ・アマを問わず、作家が自由に自分の作品をアップロードして公開できるプラットフォームへ刷新。ビューワーでの無料閲覧に加え、「電子透かし入りPDF」のダウンロード販売、Kindleストアでの有料販売も新たに開始。

 ビューワーも新しくなり、日本のマンガを世界中で読んでもらえるようにと51カ国語への自動翻訳に対応。作品内で配信される広告で得た収益は、各作品を提供している作家へ100%還元されます。また、販売で得た収益も最大限作家に還元するとしており、作家の立場から出版環境を良くしようと活動を続けてきた赤松健さんならではのサービスとなっています。

 また、「マンガ図書館Z」では月額300円(税別)のオプションとなる「プレミアム会員」制度もスタート。プレミアム会員は、ビューワー内の広告表示がなくなるほか、無料会員では本棚への登録可能冊数が7冊までのところ、5,000冊に拡大。成人向け作品も読めるようになります。また、「電子透かし入りPDF」を毎月1冊選んでダウンロードできる特典もあります。

 今秋には、作家の許諾を得た未単行本化作品などのプリント・オン・デマンド販売も予定しています。

 新サービス開始にあたってJコミックテラスは、「マンガ図書館Z」の提供により海賊版を撲滅し、作家の収益を最大化することで、電子書籍および出版市場の健全な発展に寄与していくと設立の目的をコメント。

 一方GYAOは、既存サービスのYahoo!ブックストアと異なる領域となる「マンガ図書館Z」を通して、さらに幅広い電子書籍へのニーズに応えるとともに、企業理念のひとつである「創作者を尊敬し、利益を還元する仕組みを常に構築する」ことを実現するとしています。

[工藤ひろえ]