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スクウェア・エニックスとSNKプレイモアが「ハイスコアガール」著作権侵害紛争で和解

[2015/8/26 18:55]

 スクウェア・エニックスは8月26日(水)、SNKプレイモアとの「ハイスコアガール」著作権紛争で和解が成立したと発表しました。

 「ハイスコアガール」は、スクウェア・エニックスの「増刊ヤングガンガン」および「月刊ヤングガンガン」に2010年から掲載されたラブコメマンガ。対戦型格闘ゲームのプレイ画面やキャラクターが作中に多く登場するのが特徴で、2013年に「ハイスコアガール」のアニメ化の話が持ち上がり、アニメ製作スタッフが作中に登場するゲームの著作権をもつSNKプレイモアに問い合わせたことから無断使用が発覚したと報道されています。

 SNKプレイモアはマンガの発売元であるスクウェア・エニックスに対し、「『ハイスコアガール』の電子書籍、単行本、月刊誌その他の販売の即時停止を再三申入れましたが、なんら誠意ある対応がなされませんでした。」と、スクウェア・エニックスを刑事告訴。スクウェア・エニックスには家宅捜索も行われ、ニュースなどでも大きく報じられました。

 SNKプレイモアが2014年5月26日付で刑事告訴すると、スクウェア・エニックスは2014 年10月8日付で、本件出版物がSNKプレイモアの著作権を侵害していないことの確認を求める債務不存在確認訴訟を提起。これに対して、SNKプレイモアは今年3月16日付で、本件出版物の出版差し止めを求める著作権侵害行為差止請求訴訟を起こすなど、訴訟合戦となり、解決への糸口が見えない状態が続いていました。

 当事者であるスクウェア・エニックスとSNKプレイモア、およびSNKプレイモアの大株主であるLedo Millennium Co., Ltd.(以下「Ledo」)の間で、今後、各社のコンテンツを利用した新たな協業機会の創出を可能にするため、本件紛争を早期に解決すべきとの合意に至り、8月24日付で両社間の和解が成立したとのことです。

 発表では、和解に基づき、SNKプレイモアは8月24日付で刑事告訴についての告訴取消書を大阪地方検察庁に提出し、受理されたとのこと。また民事訴訟についても、両社が取り下げました。

 スクウェア・エニックスは、「当社は、本件出版物の出版及び販売を継続することができます。」と発表。著作権紛争が解決を見たことで、連載も中止・単行本も販売中止となっている「ハイスコアガール」は今後販売や連載を再開する可能性が出てきました。

[工藤ひろえ]