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米最大手の動画配信サービス「Netflix」、日本上陸! さっそく使ってみました。使い勝手は上々、まずは1カ月無料でお試しを

[2015/9/2 12:28]

  米動画配信サービス最大手のNETFLIXが、日本国内サービスを開始しました。プランはベーシック、スタンダード、プレミアムの3つ。

 コースで変わるのは画質と同時再生ができる画面数。ベーシックはHDおよびUHD 4K非対応/1画面で月額650円。スタンダードはHD対応・UHD 4K非対応/2画面で月額950円。プレミアムはHD・UHD 4Kとも対応/4画面で月額1,450円(料金はいずれも税別)。

プランは3つ。違いは画質と同時再生できる画面数

手続きは簡単

 さっそく登録してみましたが、手続きは非常に簡単。プランを選んでメールアドレスとパスワードを登録。続いて支払い方法を選択して、決済の認証を行います。支払いはクレジットカードとPayPalに対応。

 クレジットカードまたはPayPalの認証が通ると、もう一度プラン選択画面が出ますので、ここで最初に選んだプランを変更することもできます。プランを選ぶと、次の画面で試聴するデバイスをすべて選択します。選択できるデバイスは、「スマートテレビやブルーレイプレーヤー」、「スマートフォンやタブレット」、「デスクトップやラップトップPC」、「PlayStation」、「Xbox」「Apple TV」の6種類。

 次に、「他にどなたがNetflixを視聴されますか?」という画面が出るので、ここで自分の名前や家族の名前を入力します。ここで入力する名前は、視聴する時に個人の好みにあわせてお勧めコンテンツを表示するためのものなので、別に本名である必要はありません。

視聴する人を登録します。同時再生は最大4画面までのためか、登録できるのは4人まで

 次の画面では、さきほど登録したNetflixを視聴する人のうち、子どもがいるかを尋ねられます。回答すると、次に国内・海外の映画やドラマ作品が一覧表示され、好みのものを3つ選択する画面になります。

登録した人のうち、子どもの欄にチェックします。これは子ども向け作品を優先して表示するため

 これまでの動画配信サービスは個人利用を前提とした使い勝手になっていますが、Netflixは1つのアカウントで家族全員が視聴し、さらに家族ひとりずつの好みにあわせてカスタマイズしたお勧めコンテンツが表示できる仕組みを持っています。ここが、これまでの動画配信サービスと最も違う点です。

最後に、一覧表示された作品から好きな作品を3つ選びます。最初にログインしたときは、ここで選んだ3つの作品をもとに、おすすめ作品が表示されます

日本の作品も意外にあります

 トップメニューには、視聴する人を選ぶ項目があります。登録時に入力した、Netflixを見る人それぞれの好みにあった作品が表示されます。

 コンテンツはこれからさらに拡充されるものと思いますが、日本のドラマや映画も意外に多くあります。記者はHuluが日本でサービスを開始した当初から利用しているので、以下はHuluと比べるかたちになりますが、Huluとの比較では例えば、Huluにないドラマ「結婚できない男」「おしん」などが視聴できます。

 逆に、Huluは日本テレビ資本なので、日テレのドラマ「Mother」などはHuluにはあってNetflixにはありません。その他にもHuluにあってNetflixにない日本作品は多く、日本でのサービス提供の長いHuluに一日の長がある印象です。

 アニメは、「魔法少女まどかマギカ」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」「弱虫ペダル」「Fate/Stay Night」「リトルバスターズ!」「七つの大罪」などがありますが、現状で比較すると、アニメや特撮ものの拡充に力を入れているHuluの方が充実しているように思います。たとえば、NetflixにはHuluで配信している「妖怪ウォッチ」や「進撃の巨人」がありません。

 また、これまでの動画配信サービスではほぼ提供されていて、Netflixにないのが見逃し配信です。現在放映中のドラマやアニメの最新話だけを無料で配信するサービスが見逃し配信で、すべてのドラマやアニメが配信されているわけではありませんが、録画したい番組が重なって録画できない時などに便利なサービスです。

使い勝手は快適

 再生は快適で、試しにApple TV(初期型)でも視聴してみましたが、早送りも問題なく行えます(Huluでは初期型Apple TVでは早送りの速度が遅く、速度を上げると画面が真っ黒になります)。国内では新サービスですが、さすがに米国最大手というだけあって使い勝手の面で不満を感じるところはほとんどありません。

 細かいところですが、Netflixでは、作品を選択したときに簡単な内容紹介とおもなキャストや監督などが表示されるのも嬉しいところ。Huluでは内容紹介のみでキャストが表示されないので、知らない作品だと主演が誰なのかもわからず、見たいかどうかの判断がしにくいことが多いので、キャストが出るのはありがたいです。

 一方で、Huluでは作品を地域ごとに選べるので、「日本」を選ぶと日本の作品だけから選ぶことができますが、Netflixではこれができません。なぜかイギリス作品と韓国作品のメニューはあるのですが、日本の国内作品だけを表示するメニューがないので、ここは改善を望みたいところです。

 Netflix最大の特徴は、やはり個人の視聴履歴を見て、好みにあわせてお勧め作品を並べてくれる仕組みです。サービスがはじまったばかりなので、まだその恩恵を十分に受けることはできませんが、たくさん見れば見るほど嗜好をふまえたおススメをしてくれるとのこと。Amazon.co.jpで過去に購入した本やコミックの続編が出るとお勧めしてくれるように、視聴履歴が増えるほど的を得たお勧めリストになることが期待できます。

まずは無料でお試しを

 始まったばかりのサービスとあって、日本のコンテンツはHuluに比べても少ない印象です。国内コンテンツ重視なら、月額定額で933円のサービスを開始したTSUTAYA TVをまず試してみるのがいいかもしれません。TSUTAYA TVは定額サービスを開始したばかりとあって、現在はアクセス過多でアクセスエラーが出たりしていますが、しばらくすれば落ち着くと思われます。

 TSUTAYA TV、Hulu、そしてNetflixは価格もほぼ横並び。どれがいいかは好みや、視聴環境にもよります。たとえば、テレビで見たい場合に、自宅のテレビではメニューにTSUTAYA TVはあるけれどもNetflixやHuluはない、という場合にはTSUTAYA TVがいちばん使い勝手がいいということになります。逆に、Apple TVで見るという場合には、メニューにNetflixやHuluはあってもTSUTAYA TVがなかったりと、見るデバイスによっても変わってきます。

 これから動画配信サービスを利用してみようか、という場合には、当たり前ではありますが、自分が見たいデバイスで、自分が見たいコンテンツがどれだけあるかを無料期間中にチェックしてみることをお勧めします。

 9月下旬にはAmazonのプライムビデオも始まりますし、多くのテレビで機器追加の必要なく見られるアクトビラやひかりTVなども安価な定額見放題をこれからスタートする可能性もあります。

 千円程度といっても毎月の出費。無料視聴期間に退会して、やはりこのサービスが良いかなと思ったら再度入会することも可能です。競争激化によって、これから各社のサービスプランも大きく変わっていく可能性があるので、迷ったら退会して、いろいろなサービスを試してみることをお勧めします。

[工藤ひろえ]