Amazon.co.jp、2015年の「Kindleストア」出版社別・年間売上ランキング上位30社を発表~No.1はKADOKAWA
Amazon.co.jpは、「Kindleストア」における2015年の出版社別・年間売上ランキング上位30社を発表しました。
ランキングは、2015年のAmazon.co.jpにおけるKindle版電子書籍の希望小売価格×販売数で集計したもの。残念ながら売上金額は非公表。順位のみのランキングとなっています。
2年連続で1位となったKADOKAWAは、コミック『ダンジョン飯』をはじめ、新刊Kindle作品の約半数を紙版との同時発売としたことや、年間を通じて多くの価格施策を実施したことで、一昨年に引き続き、売り上げを大きく伸ばしました。
2位は講談社、3位は集英社で、順位は違うものの、上位3社は紙の書籍市場と同じ大手3社がランクインしています。
Amazonでは、「2015年は、文字物タイトルの躍進が目立った年だった」と総評。2014年は11位だった文藝春秋は、又吉直樹の『火花』をはじめ、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』などの人気作品をいち早く電子化したこと、人気雑誌『週刊文春』の紙版との同時発売を開始したことなどで一気に5位にランクアップしました。
また、SBクリエイティブも、人気ラノベ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の新刊同時発売したことなどの施策が奏功し、初のTOP10入りを果たしています。
紙の本と電子書籍の市場規模はどのくらい違う?
全国出版協会によると、2015年の紙の本の市場規模は、書籍・雑誌合計で1兆5,220億円。この数字は前年比で5.3%減(845億円減)となり、減少幅は前年の4.5%減を上回り過去最大となりました。前年比マイナスは11年連続。
一方、2015年の電子出版市場規模は1,502億円で、前年比31.3%増となっています。漸減傾向の続く紙の出版に対して、電子書籍の売上は右肩上がり。
とはいえ、電子書籍市場はまだ紙の本の市場規模の10分の1程度。対前年で紙は845億円減、電子書籍が470億円増ですから、出版業界全体ではやはり市場は縮小傾向にあります。
大手では、宝島社が電子書籍元年と騒がれた2010年に「宝島社は、電子書籍に反対です」という新聞広告を出して話題になりましたが、電子書籍に取り組んでいない出版社や、電子書籍化に否定的な著者もまだまだ多いのが現状。
紙の本には、所有権が購入者にあり、いらなくなったら古本屋に売ることもできるし、家族の一人が買えば家族全員が読むことができるなど良い点も多いのですが、電子書籍に慣れてしまうといつでも何百冊でも持ち歩ける利便性は手放せなくなるもの。
本の制作工程から変える必要があるため、時間はかかると思いますが、できれば紙の本と電子書籍版、両方同時に発売されるようになって欲しいところです。