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舛添知事の政治資金報告書を自分で見てみよう~総務省サイトで公開されている政治資金報告書をチェック!

[2016/5/11 18:37]

 「週刊文春」は、5月11日(水)発売の5月19日号で、舛添都知事が国会議員時代に政治資金を私的に流用していた疑惑をスクープ。ネットでも大きな話題となっています。

 話題の記事「舛添都知事に政治資金規正法違反の重大疑惑!」は、Web版「週刊文春WEB」にも掲載されています

 問題が指摘されているのは、舛添都知事が国会議員時代の政治資金収支報告書。政治資金収支報告書と政党交付金使途等報告書は、総務省サイトでまとめて公開されています

総務省サイト内の、政治資金収支報告書と政党交付金使途等報告書まとめページ

 今回問題が指摘された舛添都知事の政治資金管理団体、「グローバルネットワーク研究会」の2013年と2014年分の収支報告書も総務省サイトでPDF公開されているので、誰でも見ることができます。ちなみに、「グローバルネットワーク研究会」は2014年7月31日をもって解散済み。

「グローバルネットワーク研究会」2013年(平成25年)分収支報告書(PDF)

「グローバルネットワーク研究会」2014年(平成26年)分収支報告書(PDF)

 2014年分を見ると、1月2日付けで「会議費用」として、龍宮城スパホテル三日月に13万3,345円の支出があることがわかります。これが、実際には「家族旅行の宿泊費」だった疑いがあると報道されている支出。

 5月11日放送のフジテレビ「直撃LIVE グッディ!」では、ホテルに取材して「ここ何年かは正月3が日に会議は開かれていない」、「会議室利用は1人500円で最大170人収容」と報じています。

 また、すぐ下には舛添氏の自宅に近く、「家族で来ているのを見かける。必ず領収書をもらっていた」という常連客の声が報道されている「天冨羅かんの」の1万6,880円の支出もあります。

2014年1月2日の龍宮城スパホテル三日月の支出は、ホテル従業員の証言などをもとに、家族旅行ではないかと報じられています。「天冨羅かんの」は、舛添都知事の自宅の近くの店で、こちらも家族で来店しているのを常連客が見かけているとのこと

 今回の報道とは関係ありませんが、2014年の「グローバルネットワーク研究会」の資金源を見ると、鳩山邦夫氏が代表を務める政治団体「新声会」から2,000万円、東京都医師政治連盟から1,000万円の寄付があったことがわかります。また、「新党改革比例区第4支部」から約526万円の寄付を受けています。

2014年の収入の部。このほかに繰越金が2,000万円以上あります

 ちなみに、舛添都知事は2013年~2014年当時は「グローバルネットワーク研究会」のほか、「新党改革比例区第四支部」、「泰山会」と3つの政治団体をもっています(グローバルネットワーク研究会は解散済み)。

 「グローバルネットワーク研究会」からは2014年4月9日から解散の7月31日までに約5,000万円が舛添氏の別の政治団体「泰山会」に寄付されていて、解散前に資金移動が行われたことがわかります。

「泰山会」は舛添都知事の別の政治団体。「グローバルネットワーク研究会」解散にあたり、資金移動を行ったようです

 ふだんあまり目にすることのない政治資金収支報告書ですが、細かく見ていくと政治団体間の資金の流れなども見えてきそうで、推理小説を読むようなワクワク感も。

国民みんなでチェックしよう、政治資金収支報告書

 総務省の政治資金収支報告書と政党交付金使途等報告書をまとめたページでは、50音別で報告書を探すこともできます。政治団体には議員の名前を冠していない場合も多いのですが、年度別一覧ページの一番下に、議員の名前から関連団体を探せる一覧ページへのリンクがあります。

目的の議員名から関連団体を探すのはこちらから

 家族連れの議員が飲食店などで毎回領収書をもらっているのを見かける、といった場合は、議員の名前から報告書をチェックしてみるなど、国民一人ひとりが監視の目を光らせることで、政治資金の私的流用などは減らすことができるかもしれません。

 今年夏には、参議院選挙が行われます。選挙期間に議員の“売り文句”を見てもどこまで本気で取り組むつもりがあるのか疑問に思うこともしばしば。現職の議員については、収支報告書を見るとどういう団体や企業が資金源なのかがわかので、議員の実態の一端を知ることができそうです。

[工藤ひろえ]