国民生活センターが、子どもの足が自転車の車輪に巻き込まれる「スポーク外傷」に注意喚起~必ず幼児座席を使用し、6歳以上は同乗しないように注意
国民生活センターが18日、自転車の後ろの幼児座席あるいは直接荷台に座っていた同乗者の足が後車輪に巻き込まれて受傷する、いわゆる「スポーク外傷」の注意喚起をしています。
消費者庁と国民生活センターとの共同事業「医療機関ネットワーク」に、スポーク外傷の事例が過去5年間で172件あり、けがの程度を見ると、半数以上の91件で通院が必要だったとのこと。受傷者を年齢別に見ると、自転車に同乗した6歳未満の子どもがけがをした事例が半数以上の90件でした。
また、子どもや知人を自転車に同乗させたことがある20歳以上70歳未満の一般消費者2,000人へのアンケート調査を行なったところ、幼児座席を使用しないとスポーク外傷の危険性が高くなることがわかりました。
医療機関ネットワークに寄せられたスポーク外傷事例では、スポーク外傷の半数以上で通院が必要で、足首から先の危害が多く見られたとのこと。
アンケート調査では、以下のことが明らかになっています。
・同乗者が巻き込まれたことがある人は252人で、半数以上が6歳以上
・巻き込まれた部位は、足首から先、特に左側が多い傾向
・巻き込まれた部位が完治するまでの期間は6割近くが1週間以上を要し、1年以上も13件
・巻き込まれたことがある人では後側の幼児座席を使っている割合が少なくなっている
・巻き込まれたことがある人ではドレスガードが付いていない割合が多くなっている
国民生活センターの再現実験では、幼児座席やドレスガードがないと、踵からアキレス腱付近が車輪に強く巻き込まれることがあり、幼児座席を使用しても、6歳以上の子どもは車輪に巻き込まれる危険性が高くなったとしています。
なお、幼児座席のSG基準では足を車輪に巻き込まれないよう、足と車輪を離すようになっており、道路交通規則では、幼児座席に乗車できるのは6歳未満としています。
国民生活センターでは、消費者に向けて「6歳未満の子どもを自転車に同乗させる場合には、必ず幼児座席を使用する」、「6歳以上の子どもを自転車に同乗させると、足を巻き込む危険性が高くなるため、絶対にやめる」ことをアドバイスしています。
業界へは、「子どもを自転車に同乗させる場合には幼児座席を必ず使用するよう、さらなる啓発を要望」するとしています。