日鯨研と共船が、反捕鯨団体「シー・シェパード」と和解~詳細は対外秘。シー・シェパードへの和解金は妨害活動に永久に使用不可
一般財団法人日本鯨類研究所(日鯨研)と共同船舶株式会社(共船)が23日、日本の調査捕鯨船団に対する過去の妨害行為をめぐり、米国の反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」と、代表者ポール・ワトソン氏との間で和解が成立したと発表しました。なお合意内容の詳細は、裁判所により公開された永久的妨害差止に関する情報を除いて合意条項に基づき対外秘としています。
日鯨研・共船は、2011年12月8日にシアトルのワシントン州連邦地方裁判所で訴訟を起こし、調査員および乗組員の安全と生命を脅かす暴力的行為からの救済を求める差止命令を求め、2012年12月17日には米国第九巡回上訴裁判所は暫定差止命令を出し、これ以上調査船に対して攻撃することを禁止。
しかし、暫定差止命令の後も妨害が続いたため、2014年12月、第九巡回裁判所はSS、ポール・ワトソン氏および当時のSSの理事達が差止命令に違反したとして法廷侮辱罪に課し、その賠償金としてSSは日鯨研・共船に255万ドル(約3億円)を支払っています。
以上の経緯とワシントン州連邦地方裁判所で永久的妨害差止を求める訴訟を継続する中で、今月早々に日鯨研・共船、SS、ポール・ワトソン氏が、この紛争を解決するための調停合意に至ったとしています。
SS、ポール・ワトソン氏および、彼らに協力する者は、調査船とその乗組員を攻撃すること、また、安全航海を脅かすような航行を永久に禁止。公海上で調査船に500ヤード以内に近づくことを禁止され、その他のシーシェパードグループ団体が妨害するための資金提供も行なえなくなります。
また、この調停合意のためSSに支払われる和解金については、原告に対してのみならず他の第三者に対する世界中での妨害活動にも永久に使用してはならないという条件が課され、この永久差止の合意によって、2011年に始まった訴訟は、反訴も含め正式に収束することになるとしています。