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サイトにアクセスしにくい状態が続いていたアパホテルが声明を発表「日本には言論の自由がある。客室の書籍は撤去しない」~書籍には「南京虐殺事件は中国側のでっちあげ」の記述

[2017/1/17 21:49]

 アパホテルは1月17日(火)、ホテル客室に設置している書籍「本当の日本の歴史 理論近現代史」などについての批判に答える形で見解を発表。「日本には言論の自由がある」として、ホテル客室の書籍は撤去しないと宣言しました。

 アパホテルによると、客室設置の書籍「本当の日本の歴史 理論近現代史」の内容が南京大虐殺を否定するものだとする動画がネット上に公開され、それをきっかけに、1月16日(月)からアパホテルには意見や問い合わせが寄せられたとのこと。このため、プレスリリースで見解を発表するとしています。

 アパホテルのサイトは17日午後21時現在は復旧していますが、17日現在つながりにくい状況が続いていて、ネットでは「中国SNSでの炎上が原因ではないか」と噂になっていました。

アパホテルのニュースリリース。アパホテルのサイトは1月17日にアクセス困難な状態が続き、ネットでは「中国のSNSでの炎上が原因」と言われています

 アパホテルによると、動画で批判された書籍は「本当の日本の歴史を広く知っていただくことを目的として、弊社グループ代表の元谷外志雄が『藤誠志』のペンネームで月刊誌『Apple Town』に連載している社会時評エッセイを1年分まとめたものに、まえがきとして解説を付して制作したもの」。日本語のほか、英訳も付いているとのことです。

 アパホテルは、書籍の内容について「特定の国や国民を批判することを目的としたものではなく、あくまで事実に基づいて本当の歴史を知ることを目的としたもの」だとしています。

 「異なる立場の方から批判されたことを以って、本書籍を客室から撤去することは考えておりません」として、批判を理由に撤去する考えはないことを明らかにしました。

 さらに、「日本には言論の自由が保証されており、一方的な圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならない」とした上で、書籍「本当の日本の歴史 理論近現代史」で南京大虐殺に関する見解を掲載した6ページ目を付記。

 「事実に基づいて本書籍の記載内容の誤りをご指摘いただけるのであれば、参考にさせていただきたい」としています。

 炎上の原因となった書籍には、南京大虐殺事件をまっこうから否定する記述があるだけに、中国側からの大きな反発が予想されます。インバウンド需要が大きいホテル業界のこと、ネットでは「アパホテル中国からの客が減るのでは」と心配する声も。日本のネット上でも、書籍の見解には賛否両論が見られます。


書籍「本当の日本の歴史 理論近現代史」では「南京虐殺事件は中国側のでっちあげ」との記述

 アパホテルがニュースリリースに付記した、書籍の6ページでは、「中国は日本軍が南京で三十万人を虐殺したと主張しているが、そもそも当時の南京市の人口は二十万人であり、三十万人を虐殺し、その一ヶ月後には人口が二十五万人に増えていたなどあり得ない」と主張。

 欧米人など第三国の人間が虐殺を目撃した日記や手紙、写真などの記録はひとつもなく、上海大学の朱学勤教授が「いわゆる南京大虐殺の被害者名簿というものは、ただの一人分も存在していない」と論文で発表したにもかかわらず、辞職もさせられていないことなどから、「いわゆる南京虐殺事件が中国側のでっちあげであり、存在しなかったことは明らかである」と断じています。

[工藤ひろえ]