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「プレミアムフライデー」で実際に早く帰った人はわずか3.7%! 帰るつもりでも帰れなかった理由のトップは「仕事が終わらなかったから」

[2017/3/3 12:51]

 2月24日(金)にスタートした「プレミアムフライデー」。初のプレミアムフライデーに、早く退社した人はどのくらいいたのでしょうか。

 株式会社インテージは、初のプレミアムプライデーの事後調査結果を発表しました。調査対象は、東京・埼玉・神奈川・千葉の1都3県在住の有職者2,235名。

 2月上旬の事前調査では「職場で実施・奨励されていることが決まっている」割合は2.5%という驚きの結果でしたが、その後、いよいよ第1回目のプレミアムフライデーを迎え、各企業の方針はどうなったのでしょうか。

2月24日のプレミアムフライデー、早く帰った人はわずか3.7%!

 調査によると、職場で「プレミアムフライデーが実施された」または「奨励された」人は全体の10.5%と1割程度。

 ところが、実際にプレミアムフライデーを利用して早く帰ることができた人は有職者のわずか3.7%で、職場で実施・奨励されても、早く帰る人の方が少ないという結果に。

 当日のTVインタビューなどでも早く退社したものの「月曜がこわい」という声もありました。仕事が減るわけではないので、数時間早く帰って月曜日にたまった仕事を片付けるより通常通り仕事をする方を選んだ人が多かったということかもしれません。

プレミアムフライデーが職場で実施・奨励された人は全体の1割強

 企業規模別にみると、従業員人数が増えるにつれて「プレミアムフライデーが実施・奨励された」割合が高くなる傾向が見られました。

企業規模別にみたプレミアムフライデー実施率

 勤務先の企業規模が「1,000人以上」では5.8%の人が職場でプレミアムフライデーが実施され、18.3%が奨励されたと回答。一方で、企業規模「100人未満」と「100~499人」では9割以上が「実施・奨励されなかった」と回答しています。

 比較すると大企業では実施率が高くなっていますが、大企業でも実施・奨励された人は24.1%と4人に1人。浸透にはまだまだ時間がかかりそうです。


「早く帰らなかった」理由、第1位は「仕事が終わらなかったから」

 職場でプレミアムフライデーが実施・奨励された人のうち、52.4%は「早く帰るつもりがなかった」と回答。職場で奨励・実施されていても、もともと早く帰るつもりがなかったという人の方がじゃっかん多いという結果になりました。

 「早く帰るつもりがなく、早く帰らなかった」という人は45.8%で最多。「早く帰るつもりだったが、早く帰らなかった」という人も16.3%いて、帰りたくても帰ることができなかった人も少なくないようです。

職場でプレミアムフライデーが実施・奨励された人でも、半数以上が「早く帰らなかった」と回答

 職場で実施・奨励されていて、「早く帰るつもりだったが、早く帰らなかった」人は、その理由として9割近くが「仕事が終わらなかったから」と回答。

 そのほか、「後日仕事のしわ寄せが来る気がしたから」「職場の周囲の人の目が気になったから」が続き、奨励されている職場でも、早く退社した“その後”を心配する回答があがっていました。

 また、「早く帰るつもりがなく、早く帰らなかった」と回答した人でも「仕事が終わらなかったから」が約6割で最多。早く帰れても仕事が減るわけではないので、社外との連絡、片付けなくてはならない仕事の量などを考えて早上がりしない人が多数いたことがわかります。

早く帰らなかった理由は、“早く帰るつもり”があった人もなかった人も「仕事が終わらなかったから」がトップ

 早く帰るつもりがなかった「プレミアムフライデーを特に意識していなかったから」も3割みられ、職場で実施・奨励されていても自分ごととして考えなかった人も一定いるようです。

早く帰った人では、「自宅で過ごした」が約4割でトップ。次に「食事」「買い物」

 国が主導するプレミアムフライデーは、給料日後の金曜日に早く帰ることで、外食や買い物、旅行などでお金を使ってもらおうという景気浮揚策。実際に、早く帰った人はどんな行動をしたのでしょうか。

 プレミアムフライデーで早く退社した後にしたことで、最も多かったのは「自宅で過ごした」で、41.8%。「食事に行った」32.1%、「買い物に行った」26.6%が続く結果となりました。

調査は複数回答。「自宅で過ごした」「食事」「買い物」が上位に上がりました。「整体・マッサージに行った」人が6.5%もいるのに驚き。早く帰れても、お疲れの人が少なくないようです

 自宅で過ごした人が最多とはいえ、半数以上の人が食事や買い物などの消費行動をしていることから、定着すれば消費促進も一定の効果が見込めそうです。

 また、プレミアムフライデーで早く帰った人では、82.3%がプレミアムフライデーを「次も利用したい」「どちらかといえば次も利用したい」と回答。早く帰れた人では、満足度が非常に高かったことがわかります。

 プレミアムフライデー浸透して多くの人が早上がりできるようになれが、景気浮揚策として効果が見込めそうな結果となりました。

 ただし、スタート時点では実施率が非常に低く、実施されていても実際に帰る人の方が少ないのが現状。実施企業が増加することで、「帰るのが当たり前」というところまで浸透するかどうかが鍵となります。

 2回目となる3月のプレミアムフライデーは3月31日(金)。年度末で忙しい人が多そうです。

[工藤ひろえ]