無印な小屋。小屋のあるくらしを実現する「無印良品の小屋」が販売開始~300万円。千葉県南房総市シラハマ校舎で菜園付き小屋用地として区画
良品計画が、「無印良品の小屋」の販売を開始しました。価格は300万円(税込)。建築に必要な材料費、施工業者による施工費を含んでいますが、確認申請等法定費用や、シラハマ校舎における管理費および施設整備費は別途必要です。
初回はシラハマ校舎の旧校庭部分を菜園付き小屋の用地として区画し、その区画を賃借する人を対象に限定販売されます。なお、シラハマ校舎以外の場所での設置希望者への販売方法については、2017年秋以降に改めて案内するとしています。日本以外の国での販売の予定はありません。
同社では、都会で生活する人々のくらし方の選択肢として「小屋のあるくらし」を実現する小屋の開発を進めており、無印良品の小屋を「MUJI HUT」として2015年10月に東京ミッドタウンで開催された「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2015」で3種のプロトタイプを発表。その後、商品化を前提とした「無印良品の小屋」の開発を検討し、完成に至ったとのこと。
今回の「無印良品の小屋」は、合同会社WOULDにより千葉県南房総市の旧長尾幼稚園・小学校の施設を活用して誕生した「シラハマ校舎」の旧校庭部分を、菜園付き小屋の用地として区画。千葉県南房総市白浜町は、海、山の自然に囲まれ電車も通っていない、いわゆる「陸の孤島」。しかし、近年はアクアラインや館山道の開通があり、直通バスによって往復5,000円前後で通える、都会との距離が急速に縮まりつつある地域とののこと。
合同会社WOULDが展開する「シラハマ校舎」は、旧校舎をゲストルームやシャワールーム、カフェにリノベーションし、幅広い世代や職種の人々が農的ライフスタイルやスポーツアクティビティを楽しむことのできる複合施設となっています。無印良品の小屋の購入者は、シラハマ校舎内のシャワーやトイレの利用が可能です(管理費などが必要)。
無印良品の小屋は、部屋の中はおよそ9平方メートルとコンパクトですが、縁側や奥に向かって屋根の傾斜をつけることで、3~4人でも十分にくつろげる広さがあり、入口の大きな窓は、もともとは商店に使われている引き戸。もうひとつの小さな窓からは光や風が訪れるとのこと。
木材は100%国産。外壁は、造船業で古くから使われてきた杉材を焼いて強度を高める「焼杉」の手法に加え、オイルステインで仕上げることで、防腐性、耐久性を高めています。内装は好みの壁をつくることもできるよう、無塗装のまま。また、床面は床材を貼る前の状態を残したモルタル仕上げ。汚れやすい環境下でも土間のように気兼ねなく使え、凹凸がないので掃除も簡単としています。
構造は木造軸組工法で、基礎は鉄筋コンクリート造・ベタ基礎(防湿シート敷き・床下換気なし)。断熱材は屋根裏のみポリスチレンフォームが入っています。躯体に対して5年、その他1年の建物保証体制も用意されています。
なお、「無印良品の小屋」、および共用施設となるシラハマ校舎の見学および説明会と、シラハマ校舎での「無印良品の小屋」購入(第1期)希望者向けの抽選申し込みが実施されます。期間は4月29日(土)~5月7日(日)で、各日10時、13時、15時の3回。定員は各回10組(1組4名まで)となっています。