エンタメ

中谷美紀さんが髪を15㎝カットして性同一性障害役に挑む! WOWOW連続ドラマWで東野圭吾氏の「片想い」が放送決定~WOWOWドラマ初出演の中谷さんは筋トレも実施

[2017/5/22 13:20]

 東野圭吾氏が“ジェンダー”を題材にした長編ミステリー「片想い」がWOWOWで2017年秋にドラマ化。全6話(第1話無料)、で放送されます。WOWOW初主演の中谷美紀さんが、性同一性障害の主人公を演じます。

 WOWOWが東野圭吾作品を手掛けるのは「宿命」「幻夜」「分身」「変身」「カッコウの卵は誰のもの」に次いで6作目。今作の「片想い」は事件、謎解き、絡み合う人間ドラマと東野ミステリーの真骨頂とも言うべき予測不可能で緻密な展開に加え、性同一性障害の主人公・美月と、事件をきっかけに再びフォーメーションを組む元アメリカンフットボール部の同窓生たちの30代半ばを過ぎた青春群像劇でもあります。

 WOWOWドラマ初出演の中谷さんが演じるのは、性同一性障害の日浦美月。出演に当たり、役柄に近づけるために筋力トレーニングを実施したほか、さらに髪の毛をバッサリと15㎝カットし、これまでも数々の難しい役柄を演じてきた中谷さんが新境地を開拓しています。

ストーリー

 2017年夏。大学時代、ともに汗を流したアメリカンフットボール部の仲間たちとの同窓会の帰り。エースQB(クオーターバック)西脇哲朗たちの前に現われた、元女子マネージャー日浦美月(中谷美紀さん)は、衝撃の告白をする。「オレは、人を殺した」。

 性同一性障害で、今は男として生きている、そして、人をあやめてしまった、と。困惑する哲朗たちだったが、輝いていた青春時代を、その仲間を守ろうと奔走する。事件はなぜ起きてしまったのか? 真相にたどり着こうとする中で、次々と明らかになっていく苦悩に満ちた事実。

 果たして最後に訪れる美月の、哲朗たち仲間の決断とは?そして“片想い”の意味とは?

東野圭吾さんコメント

・「片想い」の映像化が決まった際の率直な気持ちと、ドラマに期待することは

 ついにこの小説に挑む人たちが現れたか、と驚きました。未だに社会が答えを見つけられていない問題。しっかりと光を当ててくださることを願います。

・中谷美紀さんが日浦美月を演じることについて

 この役を引き受けてくださったというだけで、役者としての魂の強さを感じます。自由に、大胆に演じてくだされば、それが美月だと思います。

中谷美紀さん(日浦美月役)コメント

・WOWOWドラマ初主演となる本作「片想い」への出演が決まった際の感想、また脚本を読んだ時の印象

 初めて東野圭吾さんの作品を演じさせていただくこととなりましたが、諸手を挙げてというよりは、むしろ大変な役目を背負ってしまい、狼狽しております。

 美月という自らの生まれた性別に違和感を抱く人物の生きづらさを丁寧に描きつつ、スリリングなサスペンスでもあり、仲間達の深い友情の物語でもあり、大人のための上質なエンターテインメントとして読み応えがあったと同時に、演じる側としては、大変ハードルの高い作品だったため、恐れおののきました。

・日浦美月を演じるにあたっての、表現したいこと、チャレンジしたいこと等、意気込み

 まずは、男らしさを追求しつつも、美月の台詞にもある「どんなにあがいても本物にはなれない」という悲哀を表現できたらと思います。また、美月と同じ悩みを持つ方々がご覧になった際に、ご自身を受け入れ、認めるための後押しとなるような作品になるよう願っています。

・視聴者へのメッセージ

 現場で理沙子(美月が恋した女性)を熱い視線で見つめるうちに、もう女性に戻れなくなってしまうのではないかと、少々心配にはなりますが、素晴らしい映像とともに、展開の読めないスリリングなサスペンスをお届けしますので、ぜひご覧いただけましたら嬉しいです。

藤原麻知プロデューサー(WOWOW 制作部)コメント

・本作の企画意図

 「片想い」は、永遠に解けない“人間の心”を題材にした、大変重厚で社会派なミステリーです。原作が刊行された2001年よりは認知も広まっており、法の改正も行われていますが、ジェンダーで悩む方々への理解は、もう少し時間がかかるようです。

 ミステリーとして素晴らしいものであることはもちろん、ジェンダーについて考えるきっかけになればと思い、企画しました。

・中谷さんの起用理由

 卓越した表現力、センシティブな演技、男性女性どちらからも愛されるスター性を持った女優であるということ。美月という複雑な主人公を演じられるのはこの人しかいないと、オファーしました。中谷さんに断られたらこの企画は実現しなかったと思います。

[古川 敦]