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30年前に買ったガラクタは、実は本物の26カラットのダイヤ! 蚤の市で買った1000円ほどの指輪が9000万円以上で落札

[2017/6/9 21:58]

 サザビーズが、ロンドンで1980年代に10ポンド(現在の為替レートで約1,450円)のがらくたとして蚤の市で購入した指輪が、サザビーズロンドンオークションで656,750ポンド(約9,360万円)で、2017年6月7日に落札されたと発表しました。

 蚤の市で購入した女性は、並外れて大きいこともあり、石はずっと模造品だと思い、約30年にわたり日常的に使っていたとのこと。19世紀にクッション型(ラウンドとスクエアの混ざった形)にカットされた26カラットのダイヤモンドだなどとは、まったく気づいていなかったそうです。

 購入から30年ほど経って、「もしかしたら本物かもしれないが価値が全く分からない」と、サザビーズに持ち込み、サザビーズが米国宝石学会(GIA)に鑑定を依頼したところ、26カラットのダイヤモンドだということが判明。

 この指輪は19世紀に加工されたとみられ、当時のカットは原石の重量を減らさないことが優先されていたため、輝きが比較的鈍いのが特徴。サザビーズ(ロンドン)の宝飾品部門を統括するジェシカ・ウィンダム氏は、「アンティークなクッション型にする旧式のカットでは、現代のカット方法ほど光が強く反射しません。当時の職人は、最大限に輝かせるよりも、大きさをできるだけ維持しようと、結晶の自然な形を生かしてカットしていました。輝きが鈍かったため本物の石ではないと信じ込ませたのでしょう。すごい掘り出し物です」と話しています。

[古川 敦]