ライフ

5,000人以上に聞いた「退職を考えたきっかけ」、トップ3は「給料が安い」「評価・人事制度の不満」「残業や休出の多さ」~退職にあたって最大の不安は「次の職場が見つかるか」

[2017/6/30 18:07]

 厚生労働省が6月30日に発表した、今年5月の有効求人倍率は1.49倍。1974年以来43年ぶりとなる高い数字で、外食や運輸など複数の業種で“人手不足”と言われる状況を裏付ける結果となりました。

 不況下では転職したくても次の職場が見つかるとは限らず、転職を思いとどまる人が多くいますが、“売り手市場”の現在は、転職を考えている人にとって以前よりは良い状況といえます。

 そんな中、エン・ジャパン株式会社が運営する、求人・転職支援サービス「エン転職」は「退職理由」についてアンケートを実施、結果を発表しました。有効回答数は5,796件。


退職を考えたきっかけのトップ3は給与、評価・人事制度、残業や休出の多さ

 アンケートでは、退職を考えたことがある人に「退職を考え始めたきっかけ」を質問。

 第1位は「給与が低かった」46%、第2位は「評価や人事制度に不満があった」37%、第3位は「残業や休日出勤が多くて辛かった」28%という結果になりました。

退職を考え始めたきっかけ

 やはり、給与の低さに転職を考える人が最も多いよう。自由回答では、それぞれの理由について以下のようなコメントが寄せられています。

<給与について>

 「何年いても給料が数万しか上がらない上司をみて」(25歳男性)

 「仕事量と給料が合っていない」(29歳女性)

<評価・人事制度について>

 「ミスの多い先輩が年功序列で昇進」(26歳女性)

 「昇級試験では、上司に気に入られている人のみ合格し、能力は評価されない」(28歳男性)

 「キャリアアップのために異動を希望したが、できる人間は出せないと言われて同じ部署、製品を扱っている。全く成長していないことに焦りを感じる」(30歳女性)

25歳以下では、「やりたい仕事ではなかった」が他世代に比べて突出

 年代別に見ると、25歳までの第二新卒者では、「やりたい仕事ではなかった」が31%と3割を超えていて、他の世代に比べて突出しています。

 また、25歳以下では「他にやってみたい仕事ができた」も27%と3割近くが理由に上げていて、自分がやりたい仕事かどうかを重視していることがわかります。

<やりたい仕事ではなかった、その理由>

 「お客様を大事にする方針なのにイヤホンをしていたり、複数人でお話されているお客様にも声をかけ、接客するよう言われた。話しかけて欲しくないお客様のことを全く理解していないと感じ、私に合わないと思ったので辞めた」(22歳女性)

 「公務員であり、自ら考えて自発的に行動することは許されなかった」(23歳男性)

 「ルーチンワークで飽きてしまった」(24歳女性)

人生設計が具体的になる26~34歳は「業界の将来性」や子育て・福利厚生も重要に

 26歳~34歳の世代では、家庭を持ち人生の設計が具体的に見えてくる人も多くなります。一般的に良い条件で転職するには35歳を超えると難しくなってくる現実もあり、将来を見据えて、このままでいいのか考える人が多くなるようです。

 26~35歳では、「業界や会社の将来が不安になった」が30%と、他の世代に比べてやや高くなっています。また、「福利厚生などの待遇が悪かった」「結婚・子育て・介護などの家庭の事情」も他の世代に比べて高くなっています。

退職をするうえで最大の不安は、「次の職場が見つかるか」

 退職を考えたことがある人に、「退職をするうえでの不安」を聞いたところ、「次の職場が見つかるかどうか」が61%でもっとも多いという結果に。世代別に見ても、全世代で6割を超えています。

 次いで「退職をいつ伝えるか」42%、「次の職場で上手くいくかどうか」41%が並びました。

 人手不足と言われる現在ですが、現在の職場で不満な点が改善されなければ転職の意味がないので、実際に希望に合う職場が見つかるかどうかが最大の不安要素となっていることがわかります。

[工藤ひろえ]