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年金情報入力の中国再委託問題で、「SAY企画」がTwitterのトレンドワードに~ネットで怒りの声「流出は確認できないって中国に渡した時点で漏れてるから」「こんな会社がマイナンバー収集・管理システムとか怖すぎる」

[2018/3/20 14:04]

 3月19日(月)、NHKや時事通信などが報じた「年金情報入力の中国再委託問題」について、ネットでは怒りの声が多く上がっています。

 契約で再委託を禁じているにも関わらず、中国に入力を委託していたことがわかった「株式会社SAY企画」のホームページは3月19日(月)には閲覧できていましたが、20日(火)現在はメンテナンス中となり、閲覧できなくなっています。

 また20(火)午前中には、「SAY企画」がTwitterのトレンドワードにランクインしました。

日本年金機構のホームページ

 日本年金機構は、2017年8月に池袋にある「SAY企画」に約500万人分のマイナンバーや配偶者の年間所得額などの個人情報の入力業務を委託。 ところが「SAY企画」は、中国の業者にデータの一部を渡し、入力作業を再委託していたと報道されています。

 今回、中国への委託が判明したのは、2018年2月の年金過少支給問題から。年金機構が調査を進めた結果、未申告の130万人のうち約6万7,000人は期限内に提出されたにもかかわらず入力が放置されていたことや多数の入力ミスが判明したと日経新聞が報じています。


ネットでは国民の怒りが爆発! 「消えた年金でも中国人バイトの入力ミスがあったのにバカなの?」

 加藤勝信厚労相が20日(火)の記者会見で「外部に個人情報を流出した事実は確認していない」と説明したと報じられていますが、これに対してネットでは「中国に渡した時点で流出してるだろ」という意見が多数。

 「中国にデータを渡す=個人情報が売り払われる」と考えている人が多いようです。

 「早く500万人のマイナンバー再発行したほうがいいと思う でないと忘れたころに日本人のなりすましが出てくると思う」といった不安をつぶやく人も少なくありません。

 また、2008年に大きな問題となった「消えた年金問題」の際にも、委託された企業が中国人アルバイトなどを使ったために、「山田 太郎」が「山 田太郎」と入力されたり、入力ミスが多発し、年金の記録漏れの原因となったことがわかっています。このため、「消えた年金だって中国人バイトの入力ミスが大量にあったのに、年金機構はバカなの?」といった声も多く上がっています。

 なお、SAY企画は今回問題になっている2017年8月の入札が初めてではなく、これまでにも年金の個人情報入力を落札していることがわかっています(2014年の日本年金機構の落札情報、PDF)。

 SAY企画は、2017年だけでも、農林水産省、文部科学省 科学技術振興機構、法務省、宮内庁、会計検査院、財務省 関東財務局など多くの官公庁の仕事を一般入札により落札しています。過去には海上保安庁のデータ入力作業も落札したことがあり(PDF)、ネットでは「日本の防衛大丈夫かよ」の声も。

 また、SAY企画はSIerとして、マイナンバーの収集・管理サービスも事業展開しています。このため、ネットでは「こんな会社がマイナンバー収集・管理システムとか怖すぎる」「マイナンバーとっくに流出してるだろ」「もうマイナンバーとかやめろよ」といった批判まで聞かれます。

 SAY企画のサイトにはプライバシーマークが掲げられていたため、プライバシーマークの信頼性に疑問を抱く声も上がるなど、ネットではあちこちに不信感が飛び火しているかたち。



 「消えた年金問題」で厚労省や年金機構へ不信感を抱き続けている人も多い中での今回の問題発覚。また、各国へのイメージ調査でも不信感を抱く日本人が多い中国への再委託ということで、年金やマイナンバーへの不信感が再燃しているようです。

 「いつも思うがスピード違反ごときでつかまるのに多大な被害をだす情報漏洩が謝罪だけなのはなぜか?」「何のために公務員試験やってんだって話 公務員が全部やれよ」「関係者全員死刑でいいよ」といった怒りの声があがっています。国民にとって年金情報は切実な問題だけに、「流出は確認されていない」の一言で沈静化しそうにありません。

[工藤ひろえ]